はじめに
玄関先の段差や外の階段に手すりがほしいけれど、賃貸なので工事はできない。
そんなときに使えるのが、屋外に置くだけで使える手すりです。
壁や地面に穴を開けずに、玄関ポーチやアプローチ、勝手口の段差に置いて使えます。
ただし、土台を置く場所の広さや傾きによっては、置けないこともあります。
この記事では、福祉用具専門相談員の目線で、屋外用の置くだけ手すりの選び方と、おすすめの8製品を紹介します。
雪国で使うときの冬の注意もご紹介しています。
室内で使う置き型の手すりは、こちらの記事で紹介しています。

迷ったらこれ!おすすめの屋外用手すり3製品
屋外用の置くだけ手すりとは?室内用や壁付けの手すりとの違い
屋外用の置くだけ手すりは、土台の付いた手すりを玄関先などの地面に置いて使います。
壁や地面に穴を開けないので、賃貸など工事ができない家でも使えます。
室内用として作られた手すりは、屋外用のような防錆加工などがされていないので、外で使うのはやめましょう。
屋外で使うときは、カタログや製品ページに「屋外で使える」と書かれているものを選んでください。
この記事でご紹介する8製品は、どれも屋外で使える製品です。
壁に付ける手すりは、こちらの記事でくわしく紹介しています。

屋外の置くだけ手すりの選び方
屋外の手すりは、置く場所の段差と、土台を置けるスペースで選べるものが決まります。
選ぶときは、次のことを確かめてください。
| 屋外手すりを選ぶ時に確かめること | 目安 |
|---|---|
| 段差の高さ | 製品によって、対応できる段差の高さが違います。 段差の高さと段数を測っておきます。 |
| 土台を置くスペース | 土台は幅45〜105cmほどあります。 アプローチの幅と、段差の前に置ける広さを測ります。 |
| 地面 | 土台を置く場所が平らかどうかを見ます。 傾きやデコボコがあると置けないことがあります。 |
| 手すりの長さ | 段差の周りだけか、門までなど長く歩くかで選びます。 長くしたいときは、手すりをつなげられる製品を選びます。 |
| 片側か両側か | 左右どちらの手でつかまるか、両手でつかまりたいかで選びます。 |
| 手すりの高さ | 段差の上と下のどちらでもつかまりやすい高さに合わせられるかを見ます。 |
製品ごとの土台の大きさや対応できる段差は、このあとの比較表で確かめられます。
屋外の置くだけ手すり8製品の比較表
おすすめ8製品の土台の大きさや手すりの高さを、表にまとめました。
上の5製品は軒先や外の階段で歩く・昇り降りを支えるタイプ、下の3製品は掃き出し窓や勝手口など、大きな段差1か所の昇り降りを支えるタイプです。
私が比較表でまず見るのは、土台(ベース)を置く場所に安定して置けるかどうかです。
置ける製品の中から、体の状態や使う場所に合うものを絞り込むと、選びやすくなります。
屋外用手すりおすすめ8選
ここからは、8製品をひとつずつ紹介します。最初の5製品は軒先や外の階段で歩く・昇り降りを支えるタイプ、あとの3製品は掃き出し窓や勝手口など、大きな段差1か所の昇り降りを支えるタイプです。
軒先や外の階段で、歩く・昇り降りを支えるタイプ
たよレールSOTOE 標準型/マツ六
軒先や玄関まわりに置ける、置くだけ手すりです。
手すりの高さは75〜90cmの間で、5cmきざみの4段階に変えられます。
手すりは抗菌仕様で、土台にはすべり止め加工がされています。
片手すりのほか、両手すりもあります。
手すりは土台の端にも真ん中にも付けられます。
真ん中に付けると、段差を上るときも下りるときも、利き手で手すりを持てます。
手すりの端には「コブ」があり、手がかかると自然に動きが止まって、次の動作に移りやすくなっています。
別売りのわたレールEK(長さ57〜160cm)で、ほかの型とつなげて手すりを延ばせます。
つなぐ台数に決まりはなく、曲がり角や階段にも置けます。
土台が細いスリム型もありますが、スリム型は単独では使えず、標準型などとつないで使います。
サイズ・重さ:土台80×45cm、手すりの太さ34mm、手すりの高さ75〜90cm(4段階)、重さ 片手すり約17.8kg/両手すり約20.6kg、最大使用者体重100kg。
組み立てには六角棒スパナ(呼び4mm)が別に必要
- 玄関先の段差の下に置いて、昇り降りを支えたい方
- 段差を上るときも下りるときも、利き手で手すりを持ちたい方
- あとから手すりを延ばしたい方
わたレールEKでつながず1台だけで使うときは、土台を段差の上ではなく、必ず段差の下の地面に置いてください。
水たまりができる場所や、土台より小さい敷石の上、地面の凸凹が大きく土台が安定しない場所には置けません。
歩行サポート手すり スムーディ 標準タイプ・ステップタイプ/パナソニック エイジフリー
軒先や階段に工事なしで置ける、屋外用の置くだけ手すりです。
凹凸のないなだらかな手すりなので、端から端までつかみやすく、手すりから手を離さずに移動できます。
標準タイプは、玄関先の段差に向いています。
ステップタイプは階段の踏面(ふみづら)に土台を置けるので、玄関先がすぐ道路になっている家や、門扉がある家にも置けます。
手すりが135cmあるステップ980タイプもあります。
長いアプローチや段数の多い場所には、手すりの長さが170〜346cmのロングタイプ(4〜9段が目安)があり、長さを少し調整できる伸縮タイプもあります。
支柱を手すりの真ん中に付けると、行きも帰りも、まひのない側の手で手すりをつかめます。
手すりは塩化ビニル樹脂で覆われたアルミで、土台はステンレスです。
土台の厚さは1.3cmです。
サイズ・重さ:手すりの高さ70〜85cm(2.5cmきざみ7段階)、手すりの太さ35mm、最大使用者体重100kg。
標準タイプ 手すりの長さ135cm、対応する段差の目安3段(45cm)、土台 標準ベース80×45cm、重さ 片手すり37kg/両手すり43kg。
ステップタイプ 手すりの長さ100cm、対応する段差の目安2段(30cm)、土台 標準ベース80×45cm/ステップベース96×30cm、重さ 片手すり33kg/両手すり39kg
- 玄関先や外の階段で、段差の昇り降りを支えたい方
- 玄関先がすぐ道路の家や、門扉がある家に置きたい方
- 玄関から先まで、長い手すりがほしい方
タイプによって、手すりの長さと対応する段数が違います。
段差の段数と、置く場所の長さを測ってから選んでください。
歩行サポート手すり スムーディ360/パナソニック エイジフリー
ベランダや玄関先の段差、歩き出しを支える、1台で使う手すりです。
手すりの高さは70〜85cmの間で6段階に変えられます。
手すりは1本の支柱で立っていて、足元がすっきりしています。
手すりの被覆は滑りにくく、冷たさにも配慮されています。
土台は厚さ1.3cmと薄く、縁がゆるやかなスロープになっているので、つまずきにくいつくりです。
サイズ:土台80×45cm(厚さ1.3cm)、手すりの長さ36cm、手すりの高さ70〜85cm(3cmきざみ6段階)
重さ 片手すり18.2kg/両手すり21.4kg
最大使用者体重100kg
- ベランダや玄関先の段差で、つかまるところがほしい方
- 歩き出すときの1歩目を支えたい方
- 長い手すりはいらず、1台だけ置きたい方
手すりが短く、ほかの手すりとつなげて延ばすこともできないので、何歩も歩く場所には向きません。
長く歩く場所には、スムーディの標準タイプやロングタイプを選んでください。
安寿 アットグリップ AT-CRシリーズ/アロン化成
手にしっかりフィットする楕円形の手すりを使った、屋外用の置くだけ手すりです。
手すりには抗ウイルス加工がされています。
支柱やベースプレートなどの部材を組み合わせて、置く場所に合わせた形にできます。
ベースプレートは最大4枚までつなげられ、2枚でL字に置くこともできます。
伸び縮みする手すりは、最大140cmです。
ベースプレートは雨の日でも滑りにくく、汚れも落ちやすい表面です。ガタつきを防ぐゴム付きのアジャスターも付いています。
組み合わせ済みのセット(AT-CR-240など)もあります。
サイズ・重さ:手すりの高さ75〜90cm(2.5cmきざみ7段階)、ベースプレートの厚さ1.3cm、最大使用者体重100kg。
AT-CR-240 土台80×45cm、重さ19kg(AT-CR-240Tは23kg)。
対応する段差は、ベースプレート2枚のセットで手すりの長さにより30〜60cm、ベースプレート4枚のセットで最大180cm
- 握りやすい手すりがほしい方
- 置く場所の形に合わせて手すりを組みたい方
- 外の階段や駐車場まで、手すりを長く続けたい方
ベースプレートより小さい縁石の上や、凸凹が大きい地面、芝生、滑りやすい地面には置けません。
段差に置くときは、ベースプレートの端が段の角より内側になるようにします。
ルーツ エントランス/モルテン
玄関まわりの歩行や段差の昇り降り、立ち座りを支える屋外用の置くだけ手すりです。
グラつきやガチャガチャ音がないように作られていて、手すりは金属のようなひんやり感がありません。
紫外線や熱、水、風、砂ぼこりに強く、土台はぬれても滑りにくい表面加工がされています。
連結手すりでつなげて、手すりを延ばすこともできます。
サイズ・重さ:土台105×50cm、手すりの高さ75・80・85cm(3段階)、重さ 片手すり38.1kg(MNTPOE)/両手すり47.7kg(MNTPOE2)
連結手すり 長さ60・90・120cm
- 玄関まわりで立ったり座ったり、段差を昇り降りしたりするのが不安な方
- 手すりの冷たさが気になる方
- 手すりをつないで、玄関から先まで延ばしたい方
土台が105×50cmと、この記事の8製品の中では大きめです。
置く場所の広さを先に測ってください。
たちあっぷ540/矢崎化工
段差54cmまで対応する、屋外用の置くだけ手すりです。
手すりはプラスチックで覆ったステンレスのパイプ、土台やスタンドもステンレスなので、さびにくく、雨や日差しが当たる屋外でも使いやすいつくりです。
専用のステップ台(別売り)があり、高さ9〜15cmの低いタイプと、21〜33cmの高いタイプから選べます。
別売りの「つながるくんXP」を使うと、ほかのたちあっぷと手すりをつなげられます。
つながるくんXPは長さを伸び縮みでき、標準タイプ(CKH-D90)は64〜95cm、ロングタイプ(CKH-D125)は95〜129cmです。
角度は上下45°まで変えられ、アルミの部分には熱さや冷たさをやわらげるカバーが付いています。
サイズ・重さ:土台78×74.5cm、手すりの高さ77〜102cm・104〜139cm(CKH-01)、重さ 両手すり34.7kg(CKH-01)/片手すり28.6kg(CKH-02)。
手すりの高さが違うCKH-03・CKH-04もある
- 1か所の大きな段差を昇り降りしたい方(段差54cmまで)
- 手すりとステップ台を組み合わせて使いたい方
- ほかのたちあっぷとつないで、手すりを延ばしたい方
土台が78×74.5cmあります。段差の前に置ける広さがあるか、先に確かめてください。
また、似た名前の「伸縮つながるくん(CKE-D)」は室内専用なので、まちがえないようにしましょう。
BS桜/シコク
掃き出し窓や勝手口の段差、玄関ポーチの上り下りを支える置くだけ手すりです。
手すりが段違いになっていて、水平な部分に手を置くと、杖のように体を支えられます。
手すりの位置は左右・中央から選べ、高さは工具を使わずに5段階で変えられます。
土台は2つに分かれます。
別売りの「連結伸縮手すり」を使うと、シコクのほかの置き型手すりとつなげられます。
連結伸縮手すりは730・940・1250の3種類で、長さはそれぞれ59〜73cm、73〜94cm、94〜125cmの間で伸び縮みします。
角度は45度まで変えられます。
サイズ・重さ:土台75×68cm。1シリーズ 対応する段差0〜36cm・手すりの高さ97〜117cm、2シリーズ 対応する段差36〜54cm・手すりの高さ117〜137cm。
重さ 約27.8〜36.9kg、最大使用者体重100kg。
別売りのステップ台1段(高さ12〜18cm)・2段(高さ30〜36cm)がある
- 掃き出し窓や勝手口の段差を昇り降りしたい方
- 手すりに手をついて、杖のように体を支えたい方
- ほかの置き型手すりとつないで、手すりを延ばしたい方
段差の高さによって、選ぶシリーズが変わります(1シリーズは0〜36cm、2シリーズは36〜54cm)。
先に段差の高さを測っておきましょう。
歩行サポート手すり スムーディ ステップサポート/パナソニック エイジフリー
玄関や掃き出し窓などの大きな段差の昇り降りを支える置くだけ手すりで、踏み台なし・踏み台1段・踏み台2段から選べます。
カーブした手すり(スムーディカーブ)で、正しい姿勢での昇り降りを支えます。
土台は厚さ1.3cmと薄く、奥行きは70cmと短めなので、せまい場所にも置きやすいつくりです。
手すりと土台は、水にぬれても滑りにくくなっています。
両手すりには、手すりをつなげて延ばせる連結タイプもあります。
段差を昇り降りしたあとも手すりが途切れないので、玄関の扉や物干し場の近くまで、手すりを伝って歩けます。
手すりの長さは、100・130・175・210・235cmほどから選べます。
サイズ・重さ:土台80×70cm(厚さ1.3cm)、手すりの高さ 前側79〜121cm/家側97〜139cm(3cmきざみ15段階)。
対応する段差の目安 踏み台なし5〜18cm/踏み台1段12〜36cm/踏み台2段24〜54cm。
重さ 踏み台なし 片手すり26.8kg/両手すり31.8kg、踏み台1段 33.0kg/38.0kg、踏み台2段 41.6kg/46.6kg
- 高い段差を昇り降りする方(段差54cmまで)
- 段差を昇り降りしたあとも、手すりを伝って歩きたい方
- 置く場所をあまりとりたくない方
段差の高さによって、踏み台なし・1段・2段のどれを選ぶかが変わります。
先に段差の高さを測っておきましょう。
連結タイプは両手すりだけです。
置くだけ手すりが向かない場合と、代わりになる方法
屋外の置くだけ手すりは、どこにでも置けるわけではありません。
私は、賃貸などで工事ができないお客さまのお家に、屋外の置き型手すりを設置してきました。
ただ、次のような場所では合わなかったことがあります。
- 土台を置くスペースがない
- 地面の傾斜がきつい
- 地面がデコボコしている
土台より小さい敷石や縁石の上、凸凹の大きい地面、芝生、水たまりができる場所にも置けません。
玄関ポーチやバルコニーに軒や庇があるなら、床と軒に突っ張って立てる手すりも使えます。
たとえば、マツ六の「たよレールSOTOE highタイプ」は、天井の高さが2000〜2800mmの軒下で、コンクリートやモルタル、タイルの床に立てられます。
床の傾きは1/50までで、直接雨がかかる場所には置けません。
たよレール SOTOE highタイプは屋外で設置可能な突っ張りタイプの手すりです。
置き型のたよレールSOTOEとわたレールEKで連結も可能です。
工事ができる家なら、壁に付ける手すりも選べます。

車椅子で玄関の段差を越えたいときは、スロープを使う方法もあります。

屋外の置くだけ手すりのよくある質問
雨にぬれても大丈夫ですか?
この記事の8製品は、屋外で使える製品です。
私がこれまでお客さまのお家に設置してきた屋外用の置くだけ手すりは、土台に滑りにくい加工がされていて、雨にぬれても足元が滑りにくくなっています。
ただし、雨のあとは手すりがぬれているので、使う前にふいておくと安心です。
冬の間も置いたままでいいですか?
北海道など雪が多い地域では、冬の間は撤去するのがおすすめです。
屋根からの落雪で手すりが壊れたり、除雪のじゃまになったり、除雪車がぶつかったりすることがあるからです。
賃貸でも使えますか?
壁や地面に穴を開けずに置けるので、賃貸でも使えます。
ただし、玄関前やアプローチが共用部分になっている集合住宅では、置いてよいか管理会社や大家さんに確かめてください。
介護保険で借りられますか?
要介護・要支援の認定を受けている方は、介護保険の福祉用具貸与(レンタル)で借りられる製品があります。
ケアマネジャーに相談してください。
まとめ
屋外の置くだけ手すりは、工事ができない玄関先やアプローチで、段差の昇り降りや歩き出しを支えてくれます。
選ぶときは、次の3つを先に確かめてください。
- 段差の高さと段数
- 土台を置くスペースの広さ
- 地面が平らかどうか
選ぶのに迷ったら、玄関先の段差の下に置けるたよレールSOTOE 標準型、外の階段にも使えるスムーディ ステップタイプ、54cmまでの大きな段差に置けるたちあっぷ540から考えてみてください。
室内で使う置き型の手すりは、こちらの記事で紹介しています。

玄関の中の上がり框の段差には、踏み台を使う方法もあります。

2015年に福祉用具専門相談員の資格を取得。北海道で10年以上、現場での選定・適合に携わっています。
介護用品は「高機能だから良い」とは限りません。
本当に大切なのは「使う人の身体や生活環境に合っているか」です。
当ブログ『介護マーケット』では、カタログのスペックだけでは見落としがちなポイントを福祉用具専門相談員の視点でご紹介します。
メリットだけでなく、「こういう身体状況や環境の人には合わない」というプロ目線での注意点も正直にお伝えします。
ご本人やご家族が後悔しない、本当に合った用具選びをお手伝いします。
保有資格: 福祉用具専門相談員 / 福祉住環境コーディネーター2級
詳しいプロフィールはこちら
X(旧Twitter): https://x.com/fukushiyouguch






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