はじめに:寝起き・立ち上がり時の不安、感じていませんか?
「家のベッドでそのまま使える手すりがあれば…」と悩んでいませんか?

介護が必要な家族の寝起きや立ち上がりの際、ふらつきや転倒の不安を感じたことはありませんか?本格的な介護ベッドを導入するには費用やスペースの問題がある一方で、いまのベッドにそのまま“後付け”できる手すりがあれば、手軽に安全性を高められます。
本記事では、ベッドに簡単に取り付けられる介護用手すりの選び方やおすすめ製品を、わかりやすくご紹介します。
ベッドに後付けできる介護用手すりとは?
後付け手すりの種類
後付けタイプの手すりは、今お使いのベッドに工事不要で取り付けられる介護用品です。
差し込みタイプ

手すりの支柱をマットレスの下に差し込むだけ。手軽さが魅力です。固定しない分、安定性が低いので、設置環境や使用方法によっては、固定タイプや置き型タイプよりも安定性は低いです。
固定タイプ

ベッドフレームに金具やベルトなどでしっかりと取り付けるタイプ。より安定性を重視する方におすすめです。
置き型タイプ

重量のある天板をベッド下に差し込んで使用するタイプ。
使用環境に応じて様々な製品があり、身体状況や使用環境に応じて柔軟な対応が可能です。価格は高め。
突っ張り棒タイプ

床と天井でつっぱ突っ張り棒のように固定して使用するタイプ。動線に合わせて、手すりを数本連結させることも可能。オプションも豊富で、身体状況や使用環境に応じて組み合わせて使用ができます。
また、設置場所の床と天井がしっかりしていれば、ベッドの種類に関係なく設置化が可能です。価格は高め。
後付け手すりの主な役割
後付け手すりには次のような役割があります:
起き上がり補助
ベッドで横になった状態から身体を起こす際、支えとなる手すりがあると、起き上がりの補助となります。高齢者や筋力の低下した方にとっては、掴まる対象があるだけで動作が楽になり、身体への負担も軽減されます。
立ち上がり動作のサポート
ベッドに座った姿勢から立ち上がるとき、手すりがあることで身体を前傾させながら手で押し出すように起き上がることができ、バランスを取りやすくなります。脚力に不安がある方でも、転倒のリスクを下げながら立ち上がれるため、安全面で大きな効果があります。
転落防止
後付けの手すりがあることで、そのまま落下してしまうリスクを防ぐ「柵」の役割を果たしてくれます。特に認知症の方や睡眠中に動きの多い方には、安全確保の意味でに有効です。
介助者の負担軽減
助をする際に、利用者が手すりにつかまってくれることで、持ち上げる動作や姿勢の補助がしやすくなります。これにより、介助者の腰や腕への負担も大きく軽減されます。
後付け介護手すりの選び方
対応ベッドの種類と設置の安定性を確認
手すりがベッドに対応しているかどうか。マットレスの厚みやベッドの脚部構造によって、設置できるかが変わります。製品ごとに「対応ベッドサイズ」や「設置方式」の記載を必ず確認しましょう。
高さが調整できる製品であれば、利用者に合わせてフィットさせやすくなります。
使用者の動作・体格に合う高さ・形状を選ぶ
手すりにはL字型などさまざまな形状があります。
- 寝返り時の支えが欲しい→長めの横棒付きタイプ
- 起き上がりや立ち上がりをサポートしたい→縦型またはL字型タイプ
体格に合っていないと、逆に使いづらさや転倒のリスクを招きかねません。
持ちやすさ・滑りにくさなど安全性も重視
グリップ部分の滑りにくさも非常に大切です。
- 手汗をかきやすい方にはラバー素材が安心
- 握力が弱い方には太すぎないグリップ径を
また、支柱が太く安定していると、掴まる際のグラつきも減らせます。
夜間使用時には、手すりが蓄光で光るタイプもあります。
【差し込みタイプ】ベッドに後付けできる介護用手すりおすすめ製品
作業療法士監修 ベッドガード

特徴
- 健康雑誌『安心(初夏号)2024年5月発行』に掲載

- 作業療法士・介護福祉士の西村夏子氏監修

- ベッドの下に差し込むだけの簡単設置、工具不要

- 握りやすく、滑りにくいクッション付きグリップ
- 高さ調整は5段階(55〜66cm)で対応力あり

- 本体重量約2.1kgで、筋力の弱い方でも扱いやすい軽量設計

- 手すり下部に収納ポケット付きで実用性も高い
素材
- 本体:スチールパイプ(クロムメッキ)
- グリップ部:クッション材(発泡ウレタン等)
- ポケット:メッシュポリエステル素材
カラー
- ブラック(グリップ・収納部)+シルバー(パイプ部分)
サイズ
- 高さ:55~66cm(5段階調整)
- 横幅:約52cm
- 奥行:約38cm(ベッド差し込みフレーム)
立ち上がりアシスト手すり つかまり君/アーネスト

特徴
- 幅わずか14cmのスリム設計でベッド横でも邪魔になりにくい

- ベッドからの起き上がり・立ち上がり動作をサポート

- 床面とベッドのすき間に挿入するL字型構造

- 本体重量1.4kgと軽量で持ち運びしやすい
- 耐荷重は100kgで高い安全性を確保

- 安心の日本製、現場の介護ニーズにも対応
素材
- スチール(カチオン電着塗装)
- ポリエチレン
- CRゴム
カラー
- ブラック(支柱全体)
サイズ
- 高さ:50cm
- 奥行:71cm(差し込み部54cm)
- 幅:14cm
【固定タイプ】ベッドに後付けできる介護用手すりおすすめ製品
ささえ 普通型/島製作所

特徴

- ご家庭の木製ベッドにネジでしっかり固定可能
- グリップは握りやすく、滑りにくい発泡素材を採用
- 70cmのワイド設計で両手でしっかり支えられる
- 小物収納に便利なポケット付き
- ネジでの取り付け式で高い安定性
- 在宅介護に適したスタンダードモデル
素材
- スチール(焼付塗装)
- 発泡素材(グリップ部)
- ポリエステル(ポケット)
カラー
- ブラウン(支柱)× ブラック(グリップ)
サイズ
- 幅:70cm
- 高さ:71cm
- 重量:4.0kg
ささえ ニュータイプ/島製作所

特徴
- ご家庭の木製ベッドにしっかり取り付け可能なネジ固定式の後付け手すり

- ベッドの側面に設置することで、起き上がり・立ち上がり動作をサポート
- 移動バー付きなので、立ち上がりしやすい仕様

- 横幅70cmのワイド設計で、両手でしっかりと支えられる
- ベッド下の引き出しを塞がない設計

- 小物収納に便利なバッグ付き
- 安定性と使いやすさを両立した在宅介護向けモデル
素材
- スチール(焼付塗装)
- 発泡素材(グリップ部)
- ポリエステル(バッグ)
カラー
- ブラウン(支柱)× ブラック(グリップ)
サイズ
- 幅:70cm
- 奥行:50cm
- 重量:5.4kg
立ち上がり補助ベッド手すり(差し込み+ベルト固定タイプ)/山善

特徴
- ベッドに差し込むだけで取り付け可能な立ち上がり補助用手すり
- 起き上がりや立ち上がり動作を安全・スムーズに補助

- 取り付け位置はベッド上で自由に調整可能(左右どちら側にも設置可)
- ベッドは最大床面高さ46cmまで対応

- ベルトでベッドフレームやマットレスにしっかり固定できるため、ズレにくい


- 手にやさしいクッションタイプ(2カラー)と天然木の取っ手で見た目もやさしい木製タイプの2種類





- 組立簡単、工具不要
素材
- スチール(エポキシ樹脂塗装)
- アルミニウム(アルマイト加工)
- 天然木(取っ手部分)
サイズ
- 手すり幅:60cm
- 高さ:76cm
- 対応床面高さ:最大46cm

【置き型タイプ】ベッドに後付けできる介護用手すりおすすめ製品
床置き式手すり(縦型手すり)/楽々健

特徴
- 床に直接置いて使える据え置き型の手すりで、ベッドや布団横など設置場所を選ばず使用可能

- 重量12kgで安定性が高く、転倒防止に役立つ
- 手すり部には天然木を使用し、やさしい手触りと見た目
- 高さは74cm~80cmの4段階調整が可能
素材
- 手すりパイプ・ベース部:スチール(粉体塗装)
- 手すり部(グリップ):天然木(ウレタン塗装)
- すべり止め部:TPR樹脂、PE樹脂
カラー
- ホワイト/グレー
サイズ
- 天板:60.4cm×50.4cm
- 高さ:74cm~80cm(4段階)
- 重量:12kg
すっきり手すり クリンディ/パナソニック

特徴
- 手すり部全体にやわらかいコーティングを施し、冷たさや硬さを軽減
- 幅25cmのスリム設計で、省スペースながら立ち上がりをしっかりサポート

- ベース部分をベッド下に差し込む床置き式で、設置が簡単
- 高さは70cm~80cmの5段階調整が可能
- ベースのゴム脚と塩化ビニル樹脂の滑り止めで高い安定性を確保


- より安定した設置をしたい場合は、専用オプション「ベッド用アーム」を追加可能

素材
- ベース:スチール製・塩化ビニル樹脂(滑り止め)
- フレーム:スチール
- グリップ:ポリウレタンフォーム(全面やわらかコート)
カラー
- ブラウン×ベージュ(本体・グリップ)
サイズ
- 手すり幅:25cm
- 天板:78cm×46㎝
- 高さ:70cm~80cm(5段階)
- 重量:18kg
【突っ張り棒タイプ】ベッドに後付けできる介護用手すりおすすめ製品
ベスポジBPZ(丸ベース/Tベース)/DIPPERホクメイ


特徴
- 床と天井に突っ張って設置する支柱型手すり
- 工具不要で簡単に設置できるスプリング機構採用
- 少ない力でも横ズレしにくい独自構造
- 設置時に天井や床を傷つけにくく、賃貸住宅でも使いやすい

- 高さは210cm~270cmに調整可能(レギュラータイプ)
- 丸ベースタイプは省スペース、Tベースタイプは安定性に優れる
- ベッド横、廊下、トイレ前など自由な位置に設置可能
- オプションを使用することで、環境に合わせて自由度の高い設置が可能





素材
- 支柱部:ASA樹脂、ステンレス
- ベース部:ステンレス、エラストマー、木
カラー
- ベージュ × 木目調グリップ(共通)
サイズ
- 高さ:210〜270cm(レギュラータイプ)
- ベースサイズ:丸ベース直径18cm/Tベース幅18cm×長さ58cm
- 重量:丸ベース=約3.7kg/Tベース=約4.3kg
設置後の注意点
利用者の動きに合わせた定期的な調整が必要
後付けの手すりは、設置後も利用者の動きや体力の変化に応じて、定期的に高さや位置を見直すことが大切です。
また、設置場所からずれたり、固定が外れていないかなど、月に一度はチェックし、使いやすい状態を保ちましょう。
まとめ
ベッドに後付けできる介護用手すりは、家族の「起き上がりづらい」「立ち上がりが不安」「転倒が心配」といった悩みに応えてくれる、設置しやすく頼れる介護用品です。
本記事では、設置方法や安定性の違いに注目しながら、タイプ別におすすめ製品を紹介しました。
選ぶときのポイントまとめ
- 設置方式の違いを理解する(差し込み式/固定式/置き型/突っ張り型)
- 本人の体格や動作に合った形状・高さを選ぶ
- しっかり握れて滑りにくいグリップが安心
- ベッドの構造や床の状態に注意して、手すりが互換性あるか確認
- 月に一度は使用状況を見直すことも大切
後付け手すりは、工事不要で設置できる“身近な安全対策”です。
本記事がお役に立てますと幸いです。
福祉用具専門相談員9年目。日々の業務での福祉用具に関する知識や様々な情報を発信します。ツイッターも見て頂けると嬉しいです。
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