はじめに
介護用電動ベッドの高さ調整は、ベッドからの立ち座り、移乗動作時に身体への負担軽減や介助者の腰痛などの負担軽減につながる機能です。
介護ベッドの中でも、電動でベッドの高さを限りなく床に近い高さまで下げることができる製品を”超低床ベッド”と言います。
メーカーにより最低高は異なりますが、電動機能によりベッドの高さを床から11~15cmまで下げることができます。(マットレス高さは含みません)
本ページでは、介護用超低床電動ベッドのメリット・デメリットとおすすめ製品をご紹介します。
介護用超低床電動ベッドのメリット・デメリット
介護用超低床電動ベッドのメリット
・万が一、ベッドから身体が転落してしまった場合の怪我リスクを減らすことができる
・ベッドの導入に抵抗がある方にも受け入れられる可能性がある
・這って移動する方でもベッドへの乗り降りが可能になる
ベッドから身体が転落してしまった場合の怪我リスクを減らすことができる
認知症など様々な原因で、ベッドからの転落リスクがある方には、ベッド全体を柵で覆ってしまうと身体拘束になります。
ベッド下にクッション材を設置することも可能ですが、歩行器や車椅子で移動される方にとっては、移動のしにくさや躓きの原因になる場合もあります。
生活環境によりますが、超低床ベッドを使用して、できる限りベッド高を下げる事は、転落時の怪我リスクを軽減につながります。
ベッドの導入に抵抗がある方にも超低床ベッドであれば、受け入れられる可能性がある
ベッドをこれまで利用した経験がない高齢者の中には、床に敷くふとんで就寝する安心感から、ベッドの導入を拒否される方もいらっしゃいます。
介護用超低床ベッドであれば、限りなく床に近いポジションで就寝することができるので、床とベッドの空間がなく、安心感があるので、ベッドに抵抗がある方にも受け入れられる可能性があります。
這って移動する方でもベッドへの乗り降りが可能になる
自宅内を這って移動される方は、ベッドの高さが低いことで、自力で昇降動作が可能になることも期待できます。
自力でベッドへの移乗動作が可能になれば、生活範囲の拡大や介護の負担軽減につながります。
介護用超低床電動ベッドのデメリット
・サイドテーブルや床走行式リフトをそのまま使用できない製品があるので、注意が必要
・ハイエンドモデルなので、介護ベッドの中でも価格が高め
サイドテーブルや床走行式リフトをそのまま使用できないモデルがある
介護用電動ベッドの昇降構造が各メーカーによって異なりますが、昇降の機構がX型になっているタイプのベッドは、ベッドと床の間がフレームにより塞がっていて、サイドテーブルの脚がベッドに入りませんので、サイドテーブルを使用することができません。
その場合、サイドテーブルを諦めて、オーバーテーブルを使用するか、メーカーオプションのスペーサーを使用してベッド自体の高さが上げることで、サイドテーブルを使用できるようになりますが、ベッドが高くなるので超低床仕様でなくなってしまいます。
以下でご紹介する”フランスベッド フロアーベッド”は、ベッドと床の間にフレームがないので、超低床のままで問題なくサイドテーブルや床走行式リフトを使用することができます。
介護用超低床電動ベッドおすすめ3選
フランスベッド ┃ フロアーベッド
各メーカーから販売されている介護用超低床電動ベッドの中で、最も床に近いポジションを取ることができます。ベッド面から床まで超・超底床の11cmを実現したモデルです。
高さ調整時、超低床ベッド製品の中で唯一、ベッドの四脚それぞれが昇降する機構になっており、超低床仕様のままサイドテーブルや床走行式リフトを使用することができます。
また、ベッドを移動させたい場合には、オプションでキャスターを取り付けることも可能です。キャスターは、収納式になっており、取り付けてもベッド高さが変わらない点も他製品よりも強みです。
フランベッドのフロアーベッドは、以下のような方に特におすすめです。
●超低床仕様で、サイドテーブルや床走行式リフトを使用したい方
●ベッドへの移乗時に限りなく床に近いポジションで使用したい方
プラッツ ┃ ラフィオ
プラッツのラフィオは、ベッド面の最低床面高が15cmまで下げることができる介護用電動ベッドです。
過去記事にも詳細を記載しているので、よろしければ、ご覧ください。
ラフィオは、ハイバックサポート機能が特徴的な製品で、背上げ時に頸部の角度調整も可能になっており、頭部を支えられているような間隔で背上げすることが可能です。また、腹圧の軽減や嚥下しやすい姿勢を保持することができます。
サイドテーブルや床走行式リフトを使用したい場合は、ハイトスペーサーで、ベッドの高さを上げ、床とフレームの間に隙間を作る必要がありますので、選定時に注意しましょう。
テーブルは、オーバーテーブルを使用する方法もあります。
ベッドサイズが豊富なので、小柄や長身の方にも対応しています。
プラッツ ラフィオは、以下のような方におすすめです。
●超低床ベッドとリクライニング機能を両方重視したい方
●床ずれや嚥下障害のリスクがある方
●体格に合わせてベッドサイズを選びたい
パラマウントベッド ┃ 楽匠プラス(Xタイプ)
楽匠プラスは、パラマウントベッド楽匠シリーズの最新機種です。本機種には、HタイプとXタイプがありますが、Xタイプが超低床仕様になります。
HタイプとXタイプの違いについては、別記事をご覧ください。
楽匠プラスのXタイプは、プラッツのラフィオと同様にベッド面の最低床面高が15cmまで下げることができます。(*Hタイプの最低床高は、21cmになります)
旧機種の楽匠Zよりも背上げ時に身体への負担が軽減されるように改良されています。
また、スマートフォンとの連携、呼び出し機能も付属しております。
サイドテーブルや床走行式リフトを使用したい場合は、最低床面高21cmになってしまいますが、Hタイプもおすすめです。ベッド上で安楽な姿勢を保持することができるラクリアモーション機能が付属します。
ベッドサイズはレギュラーサイズとミニサイズを選択可能で、長身の方には延長フレームに対応しています。また、ベッド幅が91cmと81cmの2タイプを選択可能です。
パラマウントベッド 楽匠プラスは、以下のような方におすすめです。
●超低床ベッドとリクライニング機能を両方重視したい方
●床ずれリスクのある方
●ベッド上で過ごす時間が長く、ラクリアモーションを使用して安楽な姿勢保持したい方(Hモデルのみ)
●体格に合わせてベッドサイズを選びたい
まとめ
今回は、介護用超低床電動ベッドの主力製品3機種についてご紹介させて頂きました。
各製品の機能について、以下のようにまとめます。
介護用超低床電動ベッド | フランスベッド フロアーベッド | プラッツ ラフィオ | パラマウントベッド 楽匠プラス(Xタイプ) | パラマウントベッド 楽匠プラス(Hタイプ) |
最低床面高 | 11cm (超・超低床) | 15cm (超低床) | 15cm (超低床) | 21cm (低床) |
キャスター | オプション可 収納式 | オプション可 ベッド高上がる | オプション可 | オプション可 |
サイドテーブル 床走行式リフトの使用 | 使用可 | 要ハイトスペーサー | 要ハイトスペーサー | 使用可 |
背上げ機能 | 背上げ可 | ハイバック機能 | らくらくモーション | ラクリアモーション |
呼び出し機能 | × | × | ○ | ○ |
ベッドサイズ | レギュラーサイズのみ | レギュラー・ショート・ロング選択可 | レギュラー・ショート選択可 延長フレーム取付可 91cm幅・83cm幅選択可 | レギュラー・ショート選択可 延長フレーム取付可 91cm幅・83cm幅選択可 |
下記サイトでは、介護ベッド選びのポイントや注意点、導入時に使える公的制度をご紹介しています。
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