はじめに
「できるだけ軽い車椅子を選べば、介助が楽になるはず」
――そう思って車椅子を探している方は少なくありません。
実際、車椅子の重量が軽いことは、持ち上げや積み下ろし、方向転換などの負担を減らす大事な要素です。
しかし、軽さを最優先にしすぎると、押しにくい・段差を越えにくいと感じてしまい、「思っていたより使いづらい…」と買い替えを検討するケースになってしまうことも考えられます。
日常的に使う車椅子ほど、軽さだけで決めるのではなく、
少ない力でまっすぐ押せるか(押しやすさ)、
段差や傾斜でも不安を感じにくいか(安定性)、
そしてそれらを支える剛性(フレームのしっかり感)をセットで考えることが大切です。
車椅子の剛性が低いと、車椅子を押したときに軽くても力が逃げやすく、直進がブレたりガタついたりして、結果的に介助の負担が増えてしまいます。
本記事では、軽量車椅子の購入を検討している方・介助の負担を減らしたいご家族に向けて、後悔しない車椅子の選び方をわかりやすくまとめたものです。
これからご紹介するポイントを押さえてから商品を選ぶことで、自分の使い方に合った軽量車椅子を納得して選べる判断軸が分かります。
「軽いのに扱いづらい」という失敗を避け、安心して車椅子の購入につなげられるはずです。
軽量車椅子を選ぶ前に知っておきたい3つの注意点
1)車椅子介助で一番負担が大きい場面を先に決める

軽量車椅子選びで最初にやるべきことは、「軽いかどうか」を比べる前に、介助の中でいちばん負担になっている場面を1つ決めることです。
車椅子は、困る場面によって「優先すべき性能」が大きく変わります。
ここが曖昧なままだと、軽さや機能の多さに目がいってしまい、買ったあとに「思ったより使いづらい…」となりやすくなります。
まずは、普段の介助で「一番負担が大きい場面」イメージしてみてください。
- 車に載せる機会が多い
→ 重要なのは、重量そのものに加えて、持ち上げやすさ(持つ位置・握りやすさ)です。
数字が軽くても、持ち手が掴みにくいと積み下ろしがラクになりません。 - 玄関の上がり框・縁石など段差を越える場面が多い
→ 重要なのは、前輪が引っかかりにくいかと、段差でガタつきが出にくいか(フレームのしっかり感)です。
段差は「軽い=安心」ではなく、越えるときの挙動が安定しているかがポイントになります。 - 廊下やトイレ前で方向転換が多い
→ 重要なのは、小回りのしやすさ(旋回性)です。
切り返しが増えるほど介助者の負担が増えるため、狭い室内ほど差が出ます。 - 坂道やスロープを通る機会が多い
→ 重要なのは、ブレーキの扱いやすさと、押している最中のふらつきにくさ(安定感)です。
「止められる安心感」があるだけで、介助のストレスが大きく下がります。
上記のように、普段の介助で、車椅子の軽さよりも優先すべきポイントがいくつかあると思います。
最初に「どの場面が一番きついか」を決めておくと、製品選びで迷いにくくなり、不要な機能に引っ張られて失敗するリスクも下がります。
結果として、不要な機能に引っ張られにくくなり、購入後の後悔を大きく減らせます。
2)押しやすさは「重さ+走行性能+剛性」で判断する

車椅子の押しやすさは、車椅子本体の「重さ」だけで決まりません。
介助の体感負担を左右するのは、直進性・旋回性・転がり・キャスターの動きに加えて、押した力をきちんと前に伝えるためのフレームのしっかり感(剛性)です。
車椅子のフレームがしっかりしていない(剛性が低い)と、押した力が前に伝わりにくく、進行方向がブレやすくなることがあります。
押しやすさを見極めるときは、「軽いかどうか」よりも、押した分だけ素直に前へ進むかが重要になります。
車椅子の押しやすさで特にチェックしたいのは次の5点です。
- 直進性:軽く押しても左右に流れにくいか(横断歩道・まっすぐな廊下を想像)
- 旋回性:狭い場所で切り返しが増えないか(トイレ前・廊下の角など)
- 転がり:押し始めが重くないか(毎回のスタートがラクか)
- キャスター:段差・カーペットの縁・タイル目地で前輪が取られにくいか
- 剛性(しっかり感):押したときに車体がねじれる感覚が強くないか/段差でガタつきが過剰に出ないか
車椅子は、剛性の差が直進性や段差での安定感に表れやすい場合があります。
剛性が高いほど押したときのブレが少なく、長距離でも疲れにくくなります。
次のような車椅子の製品情報を確認しておくと、車椅子の押しやすさについて、失敗しにくくなります。
- タイヤの種類(ノーパンク/空気)と前輪キャスターの仕様
- 使用環境の想定(室内向け/屋外向け)
- フレーム構造の説明(しっかり感・ねじれにくさへの言及があるか)
車椅子の押しやすさは毎日の介助負担に直結します。
車椅子を選ぶ時は、本体重量の数字だけで選ばず、これらのポイントをセットで確認することが大切です。
3)体に合うサイズか(座幅・座奥行・前座高)を確認する

軽くて押しやすい車椅子でも、体に合っていなければ使いにくく、後悔につながりやすくなります。
サイズが合わないと、姿勢が崩れやすく、ずり落ちや疲労が増え、結果として介助の手間も増えてしまいます。
車椅子のサイズで、特に確認したいのは、次の3点です。
- 座幅:狭すぎると圧迫感が出て疲れやすく、広すぎると体が安定せず姿勢が崩れやすくなります。
- 座奥行:深すぎると背中が丸まりやすく、浅すぎると前滑りの原因になります。
- 前座高:足つきや立ち上がり、移乗のしやすさに直結します。
ここで注意したいのが、軽量車椅子はサイズバリエーションが少ないモデルが多いという点です。
軽さや折りたたみやすさを優先する設計のため、座幅の選択肢が限られていたり、座奥行や座面高が体格にあっていないことがあります。
体格が大きめ・小柄な方の場合は、
- スペック表で「座幅」「座奥行」「前座高」の数値を必ず確認する
- 同じシリーズでも座幅違いが用意されているか
といった手順を踏むと失敗しにくくなります。
サイズが合っていると、座っている姿勢が安定し、結果的に押しやすさや安心感も高まり、長時間の介助でも疲れにくくなります。
軽量車椅子が向いている人・向いていない人
軽量モデルが向いているケース

軽量モデルは、「持ち上げる」「出し入れする」頻度が高い生活ほどメリットが出やすいです。
特に次のような方に車椅子が軽量であることの恩恵が得られやすいです。
- 車への積み下ろしを日常的に行う:トランクや後部座席に載せる回数が多いほど、数kgの差が介助者の負担に直結します。
- 玄関などで段差を持ち上げる場面がある:玄関の上がり框のように段差が高く、スロープを常設しにくい環境では、車椅子を持ち上げて移動させる場面が出やすくなります。
こうしたケースでは、数kgの差でも腕・腰への負担がかかります。 - 収納スペースが限られている:折りたたんで出し入れする回数が多いほど、軽い方がストレスが少なくなります。
軽量よりも別の機能を優先した方が良いケース
軽量モデルは便利ですが、使う環境や体格によっては「軽いこと」よりも別の性能を優先したほうが満足度が上がる場合があります。
次の条件に当てはまる場合は、軽量にこだわりすぎず、軽量寄り〜標準寄りまで視野に入れるのがおすすめです。
- 屋外の段差や荒れた路面が多い:縁石・舗装の割れ・砂利道などが多いと、前輪が取られたりガタつきが増えたりして疲れやすくなります。
屋外中心なら、フレームのしっかり感を優先したほうが安心です。 - 体格が大きめで、剛性(フレームのしっかり感)を優先した方が良い場合:体格が大きいほど、フレームへの負荷が増えやすく、たわみやブレが気になりやすくなります。
軽さよりも、ねじれにくさ・ガタつきの少なさを重視すると後悔しにくくなります。
車椅子の耐荷重も合わせて確認しておきましょう。 - 長時間座ることが多い(姿勢保持も重視):長く座るほど、座幅・座奥行の合い方や、座面・背もたれのサポート性が重要になります。
軽量モデルはサイズ・調整の選択肢が少ないこともあるため、座り心地を優先したモデルのほうが向く場合があります。 - 自走で使う時間が長い:自走が中心だと、直進の安定、こぎやすさ、ハンドリムの握りやすさ、路面抵抗の少なさなどの影響が大きくなります。
軽さだけで選ぶと、操作が不安定に感じることがあるため、走行性能も含めて選ぶのが安心です。
当てはまる項目が多いほど、最初から「軽量モデル」に限定せず、剛性を重視したタイプや、標準寄りで安定感の高いタイプまで候補を広げると失敗しにくくなります。
軽量車椅子は何kgくらい?重さの目安と考え方
軽量車椅子と呼ばれるモデルは、「軽い」と一言で言っても重さにいくつかの段階があります。
大切なのは、数字だけで決めることではありません。
車椅子を選ぶときは、車に積む・持ち上げるといった動作が、日常の中でどれくらい発生するかを先に確認しましょう。
そのうえで、介助者が無理なく扱えるか、必要な機能(押しやすさ・剛性・サイズなど)が満たせるかを合わせて見て、バランスの取れたモデルを選ぶのがおすすめです。
なお、車椅子の重量は自走式/介助式の違いに加え、タイヤの種類や付属品によっても変わります。
ここではあくまで目安として捉えてください。
- 軽量(目安:〜13kg前後):持ち上げ・積み下ろしが多い人に向いた重量帯です。
車への積み下ろしが多い生活では、1〜2kgの差でも介助負担が変わります。
一方で、軽量化のためにシートやクッションも簡素化されているモデルがあり、座り心地や体圧分散は差が出やすい点には注意が必要です。
モデルによってはサイズ展開や調整機能が少なかったり、剛性・乗り心地の好みが分かれたりすることもあります。 - 標準寄り(目安:13〜16kg前後):安定感・しっかり感(剛性)も優先したい人向けの重量帯です。
屋外の段差や荒れた路面を通る機会が多い場合や、体格が大きめで「たわみ・ブレ」が気になりやすい場合は、車椅子に乗る方の安心感や介助のしやすさにつながりやすくなります。
さらに、座面や背もたれのつくりがしっかりしているモデルも多く、座り心地や姿勢の安定を重視したい人にも検討しやすいです。
その一方で、軽量モデルに比べると車への積み下ろしや持ち上げ介助は負担が出やすくなります。
車移動が多い方は、積み下ろしの頻度・介助者の体力・収納方法(持つ位置や折りたたみやすさ)まで含めて、「無理なく扱える範囲か」を基準に選ぶと後悔しにくくなります。
おすすめ軽量車椅子の紹介(タイプ別)
持ち上げがラクな軽量タイプ車椅子おすすめ製品
ふわりす(KF)シリーズ 自走用 /カワムラサイクル
特徴
・自走用(介助兼用)で総重量9.6kgの軽量設計
・背折れ式フレームで持ち運び・車載・収納がしやすい
・バックサポート後傾設計で背中に沿いやすく、腕の動きを妨げにくい
・長めのアームサポートで立ち座り時の体重支持がしやすい
・ヒールループ標準装備で足のずれ落ちを防止
・フットサポート位置を3段階調整可能
重量
9.6kg
サイズ
・全幅:59.5~61.5cm
・全長:95cm
・座幅:40cm、42cm
・前座高:43cm
・座奥行:40cm
耐荷重
100kg
素材
アルミ
カラー
アイスグリーン、さんごピンク
すみれパープル、あんずイエロー
ふわりす(KF)シリーズ 介助用 /カワムラサイクル
特徴
・介助専用で重量8.9kgの超軽量クラス
・背折れ式フレームで車載・持ち運びが容易
・必要な機能を維持しながら軽量化した設計
・バックサポート後傾設計で座位姿勢が安定しやすい
・ヒールループ標準装備
・フットサポート位置を3段階調整可能
重量
8.9kg
サイズ
・全幅:55~57cm
・全長:94cm
・座幅:40cm、42cm
・前座高:43cm
・座奥行:40cm
耐荷重
100kg
素材
アルミ
カラー
アイスグリーン、さんごピンク
すみれパープル、あんずイエロー
ふわりす+(KFP) 自走用 /カワムラサイクル
特徴
・ふわりす(上記製品)の多機能タイプ
・軽量(10.9kg)でも多機能を備え、持ち運び・車載をしやすい設計
・肘掛けはね上げ(跳ね上げ)+脚部スイングアウト対応で、移乗やベッド横付けがしやすい
・背折れ式で折りたたみ時の取り回しがしやすい
・操作レバーを色分けするなど、操作箇所が分かりやすい工夫
・必要な機能を省かずに軽量化している点がシリーズのコンセプト
重量
10.9kg
サイズ
・全幅:59.5~61.5cm(座幅40/42で変動)
・全長:95cm
・全高:89cm
・座幅:40cm/42cm
・前座高:43cm
・座奥行:40cm
耐荷重
100kg
素材
アルミ
カラー
さんごピンク、すみれパープル
ふわりす+(KFP) 介助用 /カワムラサイクル
特徴
・介助用で9.9kgの軽量設計。積み下ろし・持ち運びの負担を減らしやすい
・肘掛けはね上げ(跳ね上げ)+脚部スイングアウト対応で、移乗や介助動作がスムーズ
・背折れ式で収納・車載がしやすい
・操作レバーの視認性に配慮し、扱いやすさを高めた設計
・「多機能でも軽く」を狙ったシリーズで、必要機能を落とさず軽量化している
重量
9.9kg
サイズ
・全幅:55~57cm(座幅40/42で変動)
・全長:94cm
・全高:89cm
・座幅:40cm/42cm
・前座高:43cm
・座奥行:40cm
耐荷重
100kg
素材
アルミ
カラー
さんごピンク、すみれパープル
CRT-SG-1/ミキ
特徴
・軽量コンパクト設計のCRTシリーズベーシックモデル
・折りたたみ・背折れ対応で持ち運びや収納がしやすい
・ワンタッチキャスタ、ワンプッシュ式フットサポート、サーボブレーキ搭載
・ノーパンク(ハイポリマー)タイヤ採用で空気管理不要
重量
10.6kg
サイズ
・全幅:55cm
・全長:96cm
・座幅:40cm
・前座高:43.5cm
・座奥行:38cm
耐荷重
100kg
素材
アルミ
カラー
紺(ネイビー)
CRT-SG-2/ミキ
特徴
・軽量コンパクト設計のCRTシリーズ介助用モデル
・スリム設計で屋内の取り回しがしやすい
・ワンタッチキャスタ、ワンプッシュ式フットサポート、サーボブレーキ搭載
・ノーパンク(ハイポリマー)タイヤ採用でメンテナンス負担を軽減
重量
10.1kg
サイズ
・全幅:49cm
・全長:96cm
・座幅:40cm
・前座高:43.5cm
・座奥行:38cm
耐荷重
100kg
素材
アルミ
カラー
紺(ネイビー)
CRT-SG-3(カルッタSG/ウイング・スイングアウト)/ミキ
特徴
・軽量コンパクトなCRTシリーズの上位グレード(SG)で、取り回しの良さを重視した設計
・肘掛け跳ね上げ(ウイング)+脚部スイングアウトで、ベッド移乗や横付けがしやすい
・背折れジョイント付きで、折りたたみ時に収納・車載しやすい
・ワンタッチキャスタで、キャスター交換やメンテがしやすい設計
・サーボブレーキ搭載で、介助者側の減速・停止操作がしやすい
・ノーパンク(ハイポリマー)タイヤ仕様で、空気管理の手間を減らせる
重量
11.7kg
サイズ
・全幅:55cm
・全長:96cm
・全高:88cm
・座幅:40cm
・前座高:43.5cm
・座奥行:38cm
・車輪サイズ:前輪6インチ/後輪22インチ
耐荷重
100kg
素材
アルミ
カラー
紺(A-16)
CRT-SG-4(カルッタSG/ウイング・スイングアウト)/ミキ
特徴
・介助中心で扱いやすいスリム設計(狭い廊下・室内の方向転換を意識しやすい)
・肘掛け跳ね上げ(ウイング)+脚部スイングアウトで、移乗介助の動線を作りやすい
・背折れジョイント付きで、折りたたみ・収納・車載がしやすい
・ワンタッチキャスタで、キャスター周りの手入れや交換がしやすい
・サーボブレーキ搭載で、下り坂や停止時の操作負担を減らしやすい
・ノーパンク(ハイポリマー)タイヤ仕様で、空気圧管理が不要
重量
11.3kg
サイズ
・全幅:49cm
・全長:96cm
・全高:88cm
・座幅:40cm
・前座高:43.5cm
・座奥行:38cm
・車輪サイズ:前輪6インチ/後輪14インチ
耐荷重
100kg
素材
アルミ
カラー
紺(A-16)
安定性と剛性重視の軽量寄りタイプおすすめ製品
ネクストコアⅡ-マルチ NEXT2-31B(自走型)/松永製作所
特徴
・軽量・スリム設計で、屋内の取り回しを意識した多機能モデル
・肘掛け跳ね上げ+脚部スイングイン&アウトで、ベッド移乗や横付けがしやすい
・座シートの座奥調整に対応し、体格や姿勢に合わせやすい
・座り心地とフレームのしっかり感(剛性)を高めたリニューアル設計
・ノーパンク系(ハイブリッド)タイヤ仕様で、空気管理の手間を減らしやすい
重量
14.6kg
サイズ
全幅:56cm
全長:95cm
全高:90.5cm
座幅:40cm/42cm
前座高:43cm
座奥行:34~38cm(座奥調整)
耐荷重
100kg
素材
アルミ
カラー
M-15(ブルー)、M-16(グリーン)、M-17(オパール)
ネクストコアⅡ-マルチ NEXT2-41B(介助型)/松永製作所
特徴
・介助向けにスリム化し、狭い場所でも扱いやすさを狙った多機能モデル
・肘掛け跳ね上げ+脚部スイングイン&アウトで、移乗介助の動線を作りやすい
・座シートの座奥調整に対応し、姿勢の崩れ・ずり落ち対策として調整しやすい
・座り心地と剛性を高めた設計で、押し出し時の安心感を得やすい
・ノーパンク系(ハイブリッド)タイヤ仕様で、空気圧管理の負担を抑えやすい
重量
13.6kg
サイズ
全幅:55.5cm
全長:95cm
全高:90.5cm
座幅:40cm/42cm
前座高:43cm
座奥行:34~38cm(座奥調整)
耐荷重
100kg
素材
アルミ
カラー
M-15(ブルー)、M-16(グリーン)、M-17(オパール)
軽量車椅子のよくある質問
軽量だと転倒しやすい?
軽い=転倒しやすい、とは限りません。
転倒リスクに影響しやすいのは、段差や傾斜での挙動と停止時の安心感です。
前輪が段差に取られて急に止まったり、傾斜で左右に流れたりすると「怖い」と感じやすくなります。
また、車椅子の転倒・ヒヤリハットで多いのは「軽い/重い」よりも車椅子操作のミスによるものです。
立ち座り(移乗)時にブレーキをかけ忘れる、フットレストを上げないまま立ち上がってつまずくといったケースが起こりやすいので、注意が必要です。
ボンベ架を利用する場合など、後方転倒の心配がある方は、必要に応じて転倒防止バーをオプションで取付すると安心です。
何kg以下なら介助が楽?
「何kg以下なら楽」と一律には決めにくいですが、目安としては車に積む・持ち上げる回数が多いほど、軽さの恩恵が大きくなります。
日常的に積み下ろしをするなら、1〜2kgの差でも体感が変わることがあります。
ただし、介助の負担は重さだけでは決まりません。
押しやすさは、直進性・旋回性・転がり・キャスターの挙動に加え、軽量モデルではフレームのしっかり感(剛性)でも差が出ます。
- 車への積み下ろしが多い人:軽量(〜13kg前後)を中心に検討しやすい
- 車椅子の持ち上げ頻度は少なく、介助で押す頻度が多い人:軽さより「押した分だけ素直に進むか」を優先
という考え方で選ぶと失敗しにくくなります。
タイヤはどちらが良い?
タイヤは「どちらが優れているか」ではなく、使い方に合うかで選ぶのが正解です。
- ノーパンクタイヤ:空気入れ不要で管理がラク。反面、路面からの振動が伝わりやすく、段差や荒れた路面では硬く感じることがあります。
- 空気タイヤ:転がりが軽く、衝撃を吸収しやすい傾向。反面、空気圧チェックやパンク対応など、定期的な管理が必要です。
目安としては、「管理の手間を減らしたい」ならノーパンク、「屋外の走行感や衝撃吸収を重視したい」なら空気タイヤが選びやすいです。
なお、軽量車椅子はタイヤ幅が細いモデルも多く、空気タイヤの場合は空気量が少ないぶん、空気圧が下がる影響を受けやすいことがあります。
空気圧が低いままだと転がりが重くなりやすいので、こまめな点検が難しい方や管理の手間を減らしたい方は、ノーパンクタイヤを選ぶと安心です。
最近では、日進医療器のエアリータイヤなど、性能が高いノーパンクタイヤもありますので、合わせてチェックすると良いです。
段差や坂道でも使える?
使えますが、段差・傾斜が多い環境ほど、相性の差が出やすい場合があります。
- 段差:前輪が取られにくいか/段差を越えるときにガタつきが過剰に出ないか
- 坂道・スロープ:左右へ流れにくいか/ブレーキが操作しやすいか
屋外利用が多い場合はフレームのしっかり感(剛性)も確認しておくと安心です。
剛性が低いと、段差を越える瞬間に車体がねじれたりガタつきが増えたりして、押す側は、加える力に微調整が増えて疲れやすくなります。
屋外中心の方は、軽さだけで決めず、しっかり感や走行性能も含めて選ぶと安心です。
剛性はどこで差が出る?
剛性(フレームのしっかり感)の差は、主に押したときの直進の安定と、段差でのガタつきに表れやすいです。
剛性が低いと、押した力が前に伝わりにくく、進行方向がブレたり、段差でねじれやすく感じることがあります。
- 押したときの「ねじれ感」が強くないか
- 段差を越えるときに過剰なガタつきが出ないか
- まっすぐ押したときに進行方向を保ちやすいか
上記を確認すると、軽いのに扱いづらい…という失敗を減らせます。
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まとめ
軽量車椅子は「軽さ」だけで選ぶと、押しにくさや不安定さで後悔しやすい製品です。
介助の負担を減らすには、使う人と環境に合わせて優先順位を先に決めることが近道です。
車椅子選びで、特に重要なのは、日常でいちばん困る場面を特定し、身体状況に合うサイズ、必要な性能を絞り込むことです。
本記事を参考に、最適な車椅子を見つけていただけますと幸いです。
介護マーケットを運営しているもっちゃんといいます。
このブログでは、介護に関わるご家族や支援をされている方に向けて、介護ベッドや靴、手すりなど、日常で役立つ介護用品の情報をまとめています。
これまで多くのご家庭や施設で介護用品の選定をお手伝いしてきました。
現場で感じた体験をもとに、記事を書いています。
「初めての介護で何を選んだらいいのかわからない」
「商品がたくさんあって違いがよくわからない」
そんな時に、少しでも参考にしていただけるブログになれば嬉しいです。





