はじめに

「車の免許を返納したけれど、自分で買い物や散歩に出かけたい」
「長距離を歩くのはつらいけれど、もっと外出を楽しみたい」
生活環境や身体状況の変化によって移動が制限されると、外出がおっくうになりがちです。
そんな時、安全に屋外を移動する頼もしい手段として「電動車椅子」が大きな助けになります。
本記事では、福祉用具専門相談員が、使う方の身体状況や生活環境に合わせた
「失敗しない選び方」を解説し、目的に合ったおすすめの電動車椅子10機種を厳選してご紹介します。

目的に合わせて選ぶ!おすすめモデル3選
記事をすべて読む時間がない方向けに、目的別に選んだ特におすすめの3台を先にご紹介します。
電動車椅子は大まかに分けて2タイプ!「シニアカー」と「簡易電動型」
💡 導入前の共通ポイント
安全な移動を確保するために、導入前には必ずご家族・ケアマネジャー・福祉用具専門相談員にご相談ください。
【ハンドル型(シニアカー)】おすすめ電動車椅子
シニアカー(セニアカー)とは
シニアカーとは、走行性、安全性に優れた電動車いすです。
電動モーター駆動なので、歩行せず屋外を移動することができます。

手元のハンドルで前進後進、速度調整ができるため、運転方法も簡単な仕組みになっています。
また、道交法上、歩行車と同じ扱いのため、免許不要で公道を走行することができます。
シニアカーは、安全性に配慮された仕様になっていますが、操作する方の能力が不十分な場合や、使用する道路環境が悪い場合には、安全な移動が確保できないので、導入を控えることも必要です。
スズキ ┃ セニアカー ET4D


自動車メーカーのスズキが販売する安心のための性能と仕様の電動車椅子(セニアカー)です。
わかりやすく感覚的に操作しやすいハンドル周りになっています。
ハンドル手元にあるレバーが自動車で言うアクセルになっており、握ると前進または後進します。
バッテリー警告や後進時などの走行案内を音声でお知らせするので、視覚以外でも安全を確認しながら運転することができます。
買い物に便利な大型バスケットや車椅子前後のLED点滅ランプ、左右バックミラーなど標準仕様で充実した装備が備わっています。
スズキのセニアカーラインナップには、ET4Dの下位機種である、ET4Eとコンパクトで小回りが利くタウンカートがありますが、セニアカー(ET4D)は、スズキの下位機種よりもバッテリー性能が高く、連続走行距離が長いので、ある程度の長距離走行を想定している場合は、ET4がおすすめです。
遊歩スマイルα┃セリオ
特徴
・お買い物に便利な20Lの大容量大型フロントバスケット搭載
・溝へのはまり込みの危険性を軽減する84mmの広幅ノーパンクタイヤ採用
・坂道での警告音やカーブでの自動減速機能など、充実した安全機能装備
・家庭用の100Vコンセントでの簡単充電対応
重量:98kg
サイズ
高さ:110cm 幅:65cm 長さ:119.5cm
連続走行距離:約30km 最高速度:6.0km/h
使用者最大体重:100kg
お買い物でたくさんの荷物を積みたい方や、安全機能が充実した電動カートで行動範囲を広げたい方
ロマンスゴールド KE43 /カワムラサイクル
特徴
- ノーパンクタイヤ採用でパンクの心配が少ないタフ仕様
- オートハザード点滅やウインカー自動キャンセル、コーナーリング時の自動減速など安全機能を備える
- アクセルレバーによる無段階制御方式で操作が直感的可能
- 前部カゴやバックミラーなど日常使いをサポートする拡張機能も標準装備
耐荷重
100kg
連続走行
25km
サイズ
全幅:63.5cm/全長:111cm/全高:102.5cm
シート幅:約40cm
【次世代スマート型】おすすめ電動車椅子
WHILL ┃ WHILL Model C2

未来的でおしゃれなデザインが印象的な次世代型電動車椅子です。
回転半径が76cmと小回りが利き、シニアカーよりも小型で通常の車椅子に近い寸法の為、店内など屋内の移動も可能です。

WHILL Model C2は車両本体を3分割することで、車両への積載が可能です。
家族との外出先での使用を想定されている場合にも対応が可能です。
電動車椅子なので、分割しても1パーツが20kg近い重量になりますが、車載できると使用範囲も広がるので便利です。
操作方法は、シニアカーとは異なり、手元のスティックで操作を行います。直感的に操作することができます。

小回りが利き、屋内移動も可能なため、近距離や街中での移動を想定されている方におすすめの製品です。
本機にはヘッドライトやウインカーなどが標準装備されていないため、夕暮れ時や交通量の多い道での利用には注意が必要です。
そうした環境での移動が多い方には、安全装備が充実している「シニアカー(ハンドル型)」のほうが安心です。
C+walk S / トヨタ
特徴
- アクセルレバーを押すと走り、離すと停止するシンプルな操作性
- アクセル/ブレーキレバーが両側に設けられ、左右どちらの手でも操作可能
- 最高速度は1〜6km/hの6段階で、走行シーンに合わせて速度設定が可能
- 安全機能にも配慮されており、障害物検知センサーを備え、前方に人や物を検知すると警告とともに自動減速する機構を搭載
- 降坂時・旋回時の自動制御、乗り降りしやすい低ステップ設計、シート下の大容量収納、アームレスト跳ね上げ機構など、日常使いを想定したユーティリティ性が高い設計
耐荷重
100kg
連続走行
約12km
カラー
ウォームグレー、グレーメタリック、カッパーマイカ
サイズ
全長:1,185mm/全幅:650mm/全高:1,030mm
最小回転半径:0.95m
【簡易電動型(ジョイスティック)】おすすめ電動車椅子
簡易電動型車椅子とは
簡易電動型車椅子は、自走型車椅子のフレームに電磁式モーターユニットを装着した、電動車椅子です。
手元のジョイスティックレバーを操作することで、車椅子を自在に動かすことができるので、握力や腕の力が弱い方の操作にも対応しています。
通常の車椅子と寸法がほぼ変わらないので、小回りが自宅など室内で利用されている方も多いタイプです。
タイヤが通常の車椅子と同じなので、オフロードや段差には対応が難しいです。
屋外で使用する場合は、舗装された段差がない場所での使用が想定されます。
車輪には、ハンドリムが付いているため、電動と手動を切り替えて使用することも可能です。
遊歩アクティブ/セリオ
特徴
・状況に合わせて使い分けられる「電動」「手動」兼用
・車にも簡単に積み込める、折りたたみおよび背折れ機能
・乗り降りをサポートする、ひじ掛けの跳ね上げと足置きのスイングアウト
・取り外し機構 ・利用者に合わせて調整できる、ひじ掛けの高さ調節および背張りベルト
・バッテリー残量や設定速度が一目でわかる液晶画面搭載の操作部
重量:31.8kg(バッテリーは除く)
サイズ
全高:92.5cm
全幅:66.0cm(折りたたみ時の幅:45.0cm)
全長:103.5cm
自走での移動だけでなく、公共機関を利用して遠方まで外出したい方や、車に積み込んでお出かけ先でも活発に行動したい方におすすめです。
連続走行距離も25kmと長く、室内から屋外まで行動範囲を広げたい方に適しています。
遊歩ジョイ┃セリオ
特徴
・室内や狭い場所も快適に走れるコンパクト設計
・スムーズな移乗をサポートする、座面まで下がるひじ掛けと取り外し可能な足置き
・テーブルに近づいて快適に食事ができる、取り外し可能な自走用操作部
・車への積み込みを簡単にする、本体の折りたたみおよび背折れ機能
・バッテリー残量や設定速度が一目でわかる液晶画面搭載の操作部
重量:30.6kg(バッテリー除く 28.2kg)
サイズ
全高:88.0cm
全幅:58.5cm(折りたたみ時の幅:39.0cm)
全長:101.5cm
室内の狭い廊下などをスムーズに移動したい方や、ベッド等への移乗を楽に行いたい方におすすめです。
また、自走用操作部を取り外すことでテーブルに近づけるため、車椅子に乗ったまま食事を楽しみたい方にも適しています。
【軽量・折りたたみ型】おすすめ電動車椅子
WHILL Model C Lite┃WHILL
特徴
・片手のワンタッチ操作で直感的に展開・収納ができる折りたたみ機構
・強度の高いカーボン素材採用によるシリーズ最軽量ボディ
・最小回転半径81.1cmによる狭い空間での優れた小回り性能
・5cmの段差乗り越え能力と、屋外でも安心なIPX5基準の防水仕様
重量:21.6kg(バッテリー含む)/18.6kg(バッテリー除く)
サイズ
高さ:79.5~86.8cm
幅:58.7cm
全長:97.8cm
素材:カーボン(フレーム等)
長距離の歩行や杖での移動に不安を感じ、外出を控えがちになっている方。
コンパクトに折りたたんで車のトランクに積み込めるため、ご家族と同じペースでショッピングを楽しんだり、気兼ねなく旅行に出かけたりと、アクティブな生活を取り戻したい方に最適です。
電動シニアカート(LT-H2353)/LangTu

特徴
- 折りたたみ可能なデザインで、収納や持ち運びがしやすい設計。
- 250W モーター ×2 の出力で、坂道や段差でも安定して走行できる力強さを備える。
- 最高速度 6 km/h、無段階の速度制御機能を持ち、操作性を重視した仕様。
カラー
レッド
バッテリー
36V × 15.6Ah リチウムイオンバッテリー
耐荷重
150kg
連続走行
約 40km
サイズ
展開時:95cm(長さ) × 55cm(幅) × 95cm(高さ)
折りたたみ時:55cm × 38cm × 75cm
車重(バッテリー含む):約 38kg
ポルタス・エコ 電動シニアカート

特徴
- 鉛蓄電池仕様でコストを抑えた仕様、日常使い重視の設計
- クラッチ機構付きで手押し移動も可能
- 軽量設計(車体重量 約44kg)で扱いやすさを重視
カラー
シルバー系、ブルー系 など
バッテリー
鉛蓄電池
耐荷重
最大搭載重量:120kg (使用者+荷物を含む)
連続走行
約18km(カタログ上の目安)
サイズ
奥行:108cm × 幅:49cm × 高さ:94cm
失敗しない!電動車椅子の選び方(3つのポイント)
電動車椅子は、利用される方の身体状況や、どこでどのように使いたいかによって最適な機種が異なります。
専門員の視点から、購入前に必ず確認してほしい3つのポイントをご紹介します。
1. 操作方法で選ぶ 「ハンドル型」と「ジョイスティック型」
操作方法は、単なる見た目の好みではなく、運転する方の「握力や腕の力」、そして「上半身の姿勢を保てるか」などの身体機能に合わせて選ぶことが重要です。
ご自身の状態に合わない機体を選ぶと、長時間の運転で疲れてしまったり、とっさのブレーキ(停止操作)が遅れたりする危険があります。
2. 主な使用場所で選ぶ 「屋外長距離」と「屋内・狭い場所」
使用場所や移動距離を明確にすることで、電動車椅子の種類を選びます。
買い物や散歩など外の移動が中心なら、大型タイヤで安定感があり、段差や悪路に強い「シニアカー(ハンドル型)」が安心です。
スーパーの店内、病院の廊下、ご自宅の中などでも使いたい場合は、その場でクルッと方向転換できる最小回転半径の小さい「次世代スマート型」や「簡易電動型」を選びましょう。
3. 車載や持ち運ぶ頻度で選ぶ(重量・折りたたみ可否)
電動車椅子を「自宅の周りだけで使うのか」、それとも「ご家族の車に積んで、旅行先や少し遠くのショッピングモールなどでも使いたいのか」によって、選ぶべき機体の重量と構造が全く異なります。
購入後に「重すぎて車に乗せられなかった」と後悔しないために確認しておきましょう。
一般的なシニアカーは総重量が80kg〜100kg前後あり、そのまま乗用車に積み込むことは原則としてできません。
ご自宅の玄関先やガレージに保管スペースと充電環境を確保し、そこから直接運転して外出する用途に向いています。
電動車椅子売れ筋ランキング
まとめ
今回は、シニアカー(ハンドル型)から、簡易電動型、軽量・折りたたみ型まで、おすすめの電動車椅子10選をご紹介しました。
電動車椅子は決して安い買い物ではありません。
しかし、ご自身の身体状況や生活環境にピタリと合った一台に出会えれば、移動の負担が減り、外出する楽しさやご家族との思い出を大きく広げてくれるパートナーになります。
カタログのスペックだけでなく、「どこに行きたいか」「誰と使うか」をぜひ想像しながら選んでみてください。
そして、導入の際はご自身だけで悩まず、必ずご家族やケアマネジャー、福祉用具専門相談員などの専門家へ相談し、安全で快適な移動手段を手に入れてくださいね。
2015年に福祉用具専門相談員の資格を取得。北海道で10年以上、現場での選定・適合に携わっています。
介護用品は「高機能だから良い」とは限りません。
本当に大切なのは「使う人の身体や生活環境に合っているか」です。
当ブログ『介護マーケット』では、カタログのスペックだけでは見落としがちなポイントを福祉用具専門相談員の視点でご紹介します。
メリットだけでなく、「こういう身体状況や環境の人には合わない」というプロ目線での注意点も正直にお伝えします。
ご本人やご家族が後悔しない、本当に合った用具選びをお手伝いします。
保有資格: 福祉用具専門相談員 / 福祉住環境コーディネーター2級
詳しいプロフィールはこちら
X(旧Twitter): https://x.com/fukushiyouguch






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