はじめに┃高齢者の転倒・転落事故はなぜ起こるのか?

高齢者の介護をしていると、「もし夜中に転倒したら…」といった不安を感じる方もいらっしゃると思います。
ベッドからの転落事故は介護現場でよく耳にする問題です。
夜間のトイレに立とうとするときの転倒
夜間、高齢者がトイレに立とうとした際に転倒する事故は少なくありません。
照明が暗かったり、十分に手元や足元が見えなかったりすることで、つまずいたりバランスを崩してしまうリスクが高まります。

認知症が引き起こす行動パターン
認知症の方は、自分の状況や環境を正しく認識することが難しい場合があります。
自身の場所を判断できず、無意識にベッドから出てしまうことがあり、転落事故の大きな要因になります。
介護者の目が届かない時間帯の不安
夜間や早朝は介護者の目が届きにくい時間帯です。
特に在宅介護の場合、家族が寝ている間に転倒事故が起きると、発見が遅れ、大きなけがにつながる恐れがあります。

衝撃緩和マットとは?導入のメリット
ベッドサイドに敷くと転倒・転落時、衝撃の吸収を期待できる
衝撃緩和マットは、ベッドの横に敷くことで、転落した際の衝撃を吸収・緩和してくれる介護用品です。
設置は、ベッドの脇に敷くだけで、ベッドからの転倒・転落時のリスク低減が期待できます。

衝撃を吸収する素材の特長
マットには高密度のウレタンやEVA素材が使用されており、踏んでも沈み込みすぎない硬さが特長です。

衝撃緩和マットはこんな方におすすめ
夜間にベッドからの転落が心配な方
ベッドからの立ち上がり時にバランスを崩してしまい、転倒することは、家族に不安があります。
筋力が低下している高齢者は、ちょっとしたふらつきでも転倒につながる可能性があります。
ベッドサイドに衝撃緩和マットを敷いておくことで、万が一の転倒時でもけがのリスクを軽減でき、家族の安心にもつながります。
認知症の家族を在宅介護している方
認知症の方は行動の予測が難しいため、ベッドサイドにマットを敷くことで万が一の事故にも備えになります。
認知症の方は、ベッドから突然立ち上がってしまったり、ベッドから転落してしまうことがあり、介護者が目を離した時間に事故が起こることもあります。
転倒によるけがなどで、生活の質を大きく下げる恐れがあるため、事前の対策が有効です。
失敗しない衝撃緩和マットの選び方
部屋の広さと使用環境に合ったサイズ選び
マットのサイズは製品によって様々です。設置場所のスペースやベッドの幅に合ったものを選びましょう。

手入れのしやすさ
清掃のしやすさや、防水加工の有無もポイントです。
表面をサッと拭くだけで清潔を保てる素材が理想的です
尿漏れや飲み物のこぼれなどが日常的に起こるため、防水・撥水加工が施されているものが望ましいです。
また、軽量で移動がしやすいマットであれば、掃除の際にも扱いやすくなります。

滑りにくさ
マットが滑りやすいと、転倒リスクを高めることになります。
特にフローリングの床では、マット自体がずれてしまうこともあり危険です。そのため、裏面に滑り止め加工が施されている製品を選ぶことが重要です。
滑り止めがしっかりしていれば、マットの位置がずれにくく、安心して使用できます。また、軽量で移動がしやすいマットであれば、掃除の際にも扱いやすくなります。

【介護用】ベッドサイド衝撃緩和マットおすすめ9選
信頼できるメーカーの製品を選ぶことで、耐久性や安全性にも安心感があります。
ここでは、ベッドサイド用衝撃緩和マットのおすすめ製品をご紹介します。
ころやわマット/Magic Shields

■ 特徴
- 歩行安定性と衝撃吸収性を両立した床材タイプのマット

- 転んだときだけ柔らかくなる独自構造(メカニカルメタマテリアル技術)

- 大腿骨近位部骨折などの重傷リスクを軽減
- フローリングのような硬さで歩行や車いす移動に適応

- 医療・介護施設だけでなく在宅介護にも対応


■ 素材
- 表層:スロープエッジストマット
- 芯材:メカニカルメタマテリアル
■ カラー
ナチュラルウッド調(木目調)
■ サイズ
- CM-12-120*90:120×90×1.2cm
- CM-12-150*90:150×90×1.2cm
- CM-12-180*120:180×120×1.2cm

ワンダーマット/アクションジャパン

■ 特徴
- 厚さわずか5mmの超薄型衝撃吸収マット
- 衝撃を効果的に吸収しながら、つまずきにくい薄型設計

- ベッド周りや移動動線上でも違和感なく設置可能
- 万が一の転倒に備え、床に直接敷いて使用可能

- 家具の下にも敷ける柔軟性
■ 素材
- 表面素材:耐久性のある滑り止めシート
- 中材:衝撃吸収ポロン(高性能ウレタン系素材)
■ カラー
- グレー
- ブラウン
■ サイズ(約)
- Sサイズ:150×50×0.5cm
- Mサイズ:150×100×0.5cm
- Lサイズ:180×150×0.5cm
ヨッコイショ 衝撃吸収マット/ニシウラ

■ 特徴
- ベッドからの転落時の衝撃を和らげるクッションマット
- 硬さのある素材でしっかりと衝撃をキャッチ

- 折りたたみが可能で、収納や持ち運びにも配慮された設計
- 厚さ4cmで、しっかりとした衝撃吸収性を確保
■ 素材
- カバー:表面 ポリエステル、裏面 PVCコーティング
- 中材:ポリエチレンフォーム(高反発・軽量素材)
■ カラー
- ネイビー(青系)
■ サイズ(約)
- 幅182cm × 奥行65cm × 厚さ4cm
安心クッションマット/テラモト

■ 特徴
- ベッドやトイレ周りでの転倒による衝撃を緩和
- 足腰にかかる負担を軽減する構造

- ほどよい厚み(約1.5cm)で歩行性を妨げず、つまずきにくい
- 端部がテーパー加工されており、段差によるつまずきを防止
- 重量がありズレにくく、安定して設置可能

■ 素材
- 表面:PVC発泡シート(クッション性・防水性あり)
- 裏面:ノンスリップシート貼付
■ カラー
- ベージュ
■ サイズ(約)
- 60×90×1.5cm
- 60×150×1.5cm
- 90×180×1.5cm

ケアソフト クッションキング/山崎産業

■ 特徴
- 弾力性と柔らかさを備え、衝撃をしっかり吸収

- マット表面は滑りにくく、安全な歩行をサポート

- 厚さ0.9cmでつまずきにくく、フラットに設置可能

■ 素材
- 表層:発泡ポリ塩化ビニル(PVC)
■ カラー
- グレー
- ブルー
■ サイズ(約)
- 61×91×0.9cm
- 91×122×0.9cm
- 91×152×0.9cm
衝撃吸収マット/ビジョンタヒラ

■ 特徴
- ベッドからの転落時に発生する衝撃を緩和

- 約4cmの厚みで、優れたクッション性を発揮
- 三層構造で衝撃吸収力と安定性を両立
- 使用しないときはコンパクトに折りたたみ可能

- 表面は防水・撥水仕様でメンテナンスが簡単
■ 素材
- 中材:ポリエチレンフォーム+ウレタンフォーム(三層構造)
- カバー:ポリエステル100%(防菌・防臭・防水・撥水加工)
- 裏面:滑り止め付き
■ カラー
- ネイビー(青系)
■ サイズ(約)
- 幅180cm × 奥行65cm × 厚さ4cm(折りたたみ式)
安心クッションマット/テラモト

■ 特徴
- ベッドやトイレ周りでの転倒による衝撃を緩和


- 足腰にかかる負担を軽減する構造
- ほどよい厚み(約1.5cm)で歩行性を妨げず、つまずきにくい
- 端部がテーパー加工されており、段差によるつまずきを防止
- 重量がありズレにくく、安定して設置可能

■ 素材
- 表面:PVC発泡シート(クッション性・防水性あり)
- 裏面:ノンスリップシート貼付
■ カラー
- ベージュ
■ サイズ(約)
- 60×90×1.5cm
- 60×150×1.5cm
- 90×180×1.5cm
ズレないクッション #180(衝撃用)/サニア工業

■ 特徴
- 裏面がノンスリップ合成ゴムでズレにくく、安全性に配慮
- 厚さ4cmのクッションで転倒時の衝撃を緩和

- 表面は斜めカット加工されており、つまずきにくい構造
- 通気性のあるメッシュ生地と、衝撃吸収性に優れた低反発ウレタンを採用

- 防水仕様のタイプ(SHC-180B)もあり、水まわりにも対応可能
■ 素材
- 表地:ポリエステル100%(メッシュ)
- 中材:低反発ウレタンフォーム
- 裏地:合成ゴム(ノンスリップ仕様)
■ カラー
- グレー(SHC-180)
- ブラック(SHC-180B:防水タイプ)
■ サイズ(約)
- 幅70cm × 長さ180cm × 厚さ4cm
Multi Mat むにゅ/ エー・エム・プロダクツ

■ 特徴
- ベッドや椅子からのずり落ち、転倒時の衝撃を緩和
- 高反発素材で足元の安定感と衝撃吸収を両立

- 抗菌・防炎・防水・撥水性能ありで衛生的かつ安全
- マットの厚さ1cmで歩行や車いすの走行に支障をきたさない設計
- 室内の多目的スペースに対応可能なマルチユースタイプ

■ 素材
- ポリ塩化ビニール(PVCフォーム)
■ カラー
- ベージュ
- ブラウン
■ サイズ(約)
- 46cm × 122cm
- 61cm × 91cm
まとめ
高齢者を介護するご家族にとって、夜間の転倒やベッドからの転落は大きな不安要素です。
認知症の方や筋力の低下が見られる方の場合、事故のリスクはさらに高まります。
在宅介護中に目を離したすきに起こる転倒事故は少なくありません。
こうした不安を和らげるために、「衝撃緩和マット」を導入することで、転倒による骨折や打撲のリスクの軽減が期待できます。
転倒防止対策を考える上で、以下のポイントを押さえることが大切です:
- 夜間や早朝など目が届かない時間帯の事故リスクを補える
- 認知症の方など行動が予測しづらい場合の安全策になる
- 衝撃吸収性が高く、骨折などの重傷リスクを大きく軽減
- 滑りにくく、設置や清掃が簡単な製品を選ぶと安心
- 部屋の広さやベッド周りに合ったサイズを選ぶことが重要
高齢者が安全に過ごせる環境づくりは、日々の安心感と介護負担の軽減につながります。
転倒予防の第一歩として、衝撃緩和マットの導入をぜひご検討ください。
本記事がお役に立てますと幸いです。
福祉用具専門相談員9年目。日々の業務での福祉用具に関する知識や様々な情報を発信します。ツイッターも見て頂けると嬉しいです。
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