はじめに

車椅子ユーザーの方や在宅介護をしている方にとって、「食事のときに安定した台がない」「ちょっとした作業や読書がしづらい」など、小さな不便が日常的に積み重なります。
食事や机の代わりになる“車椅子用テーブル”の存在は大きな助けになりますし、車椅子テーブルがあるだけで、食事や作業、趣味の時間が格段に快適になります。
本記事では、使車椅子用テーブルの種類や選び方、おすすめ製品をご紹介します。
車椅子用テーブルの種類と特徴
ベッド兼用型

ベッド兼用型のタイプの利点は、広い天板を確保できることです。
食事やノートPCの使用、塗り絵や裁縫といった趣味作業まで幅広く対応可能です。
さらに高さや角度を調整できるタイプもあり、前かがみにならずに自然な姿勢で使用できるのもポイントです。
キャスター付きで簡単に移動でき、ベッドとの兼用ができるため、在宅介護の多様な場面で活躍します。
アームレスト装着型

アームレスト装着型は、車椅子の肘掛け部分に直接固定するコンパクトなタイプです。
軽量なプラスチックや合成樹脂でできていることが多く、食事や作業の時だけ取り付けて、終わったら外すといった使い方が可能です。
しっかり固定できるものを選べば、お盆や膳を乗せても安定して使えます。
車椅子用テーブルを選ぶポイント
1. 使用シーンを明確にする
まずは「何のために使うか」を明確にしましょう。
食事メインであれば安定感と清掃のしやすさが重視されます。
ベッド上でも使いたいなら、ベッド兼用型の昇降機能付きモデルが向いています。
また、両方の型をを兼用するパターンも考えられます。
2. サイズ・耐荷重の確認
製品によってテーブルの幅や奥行きが異なります。
車椅子のアームレストの幅や床から座面までの高さに合わせた選定が重要です。
用途に応じた耐荷重の製品を選べば、日常使用で安心です。
3. アームレスト装着式は互換性や取り付け方法を確認
車椅子に装着するタイプのテーブルは、工具が必要なタイプか、装着が簡単にできるかも重要なポイント。
高齢の方や女性が使う場合、軽くて簡単に取り付けできるタイプが安心です。
車椅子やベッドとの互換性にも要注意です。
製品によって装着できないケースもあるため、必ずサイズや固定方法を確認しましょう。
【ベッド併用型】車椅子用テーブルおすすめ3選
シーホネンス サイドテーブル PT-7500F

安定した姿勢をサポートするU字型脚フレーム
・ベッド端座位時に足底がしっかり接地でき、姿勢が安定
・車いす使用時にもフレームが邪魔にならず、足元のスペースを確保
高さ調整可能な昇降機能
・テーブルの高さを660〜975mmの範囲で調整可能(昇降ストローク:315mm)
天板の安全設計
・天板サイズは幅900mm×奥行400mmで、食事や読書に十分な広さ
・天板の周囲には小物や飲みこぼしの落下を防止するソフトエッジを採用
支柱の左右差し替えが可能
・ベッドの配置や利用者の利き手に合わせて、支柱の位置を左右に変更可能
安全性を高めるキャスターとロック機能
・4輪キャスター付きで移動がスムーズ
・4輪全てにロック機能があり、使用中の不意な移動を防止
・上昇ロック機能付きで、テーブルの高さを固定可能
睦三 介護リハビリテーブルKLⅢ

高さ調整機能

・テーブルの高さは64cmから91cmまで調整可能で、利用者の体格や使用環境に合わせて最適な高さに設定できます。
安全性と安定性

・テーブルの脚部にはストッパーが付いており、使用中の不意な移動を防ぎます。
・安定した構造で、リハビリや食事などの際にも安心して使用できます。
使いやすいデザイン

・天板にはくぼみがあり、体にフィットする形状で快適な使用感を提供します。
・天板サイズは幅80cm×奥行50cmで、広々とした作業スペースを確保しています。
多目的な用途に使える
・食事、読書、書き物、リハビリなど、さまざまな用途に対応可能です。
パラマウントベッド リハビリテーブル KF-840

介護現場での実用性を考慮

・ベッドサイドだけでなく、車椅子使用時にも適した設計で、リハビリや日常生活のサポートに最適です。
・天板の表面はメラミン化粧板仕上げで、汚れが付きにくく、清掃も容易です。
安定性と安全性を重視した設計
・耐久性の高いスチールフレームとウレタンフォーム製の天板を採用し、長期間の使用にも耐える堅牢な構造です。
・キャスターにはロック機能が付いており、使用中の不意な移動を防ぎ、安全性を確保します。
利用者に優しい天板デザイン
・天板は体にフィットするように湾曲した形状で、食事や作業時に腕や体への負担を軽減します。
・天板サイズは幅790mm×奥行580mmと広めに設計されており、食事、読書や書き物など多目的に使用できます。
調整は工具不要で、簡単に行えるため、介護者の負担も軽減されます。
【アームレスト装着型】車椅子用テーブルおすすめ3選
ヨッコイショテーブル(スタンダードタイプ)/ニシウラ

特徴
- 車椅子にスライド方式で簡単に取り付けできるオーバーテーブル型
- 天板には大きなU字型の切り欠きがあり、身体を囲むようにフィット

- 食事・読書・作業に最適な広めの天板サイズ(幅63cm×奥行40cm)
- 適合車椅子サイズ:座幅38〜42cmの標準型車椅子に対応
- 重さ2.5kgで持ち運びも容易

素材
メルクシパイン集成材(天板)
カラー
ナチュラル(木目)
サイズ
幅63cm × 奥行40cm × 厚さ1.5cm(対応座幅:38〜42cm)
車いす用テーブル Eタイプ TY070E/日進医療器

特徴

- 軽量な樹脂製で、取り扱いが簡単
- 水洗い可能で、食べこぼしなどの汚れもすぐに拭き取れる
- アルコール等による消毒にも対応し、衛生的に使える
- 4本のマジックベルトで車椅子にしっかり固定できる
- 天板中央のU字型切り欠きにより体を囲むようにフィットし、食事や作業がしやすい
- 在宅介護だけでなく施設利用にも適したスタンダードモデル
素材
ポリプロピレン樹脂
カラー
アイボリー(淡ベージュ系)
サイズ
幅63cm × 奥行50cm × 厚さ2cm
車いす用テーブル “これべんり” 軽量タイプ TY070L/日進医療器

特徴

- 工具不要で簡単に取り付け・取り外しが可能な設計
- 軽量で扱いやすく、家庭内での使用にも便利
- アルミフレーム構造で耐久性がありながらも軽量化を実現
- 天板中央にはU字型の切り欠きがあり、身体にフィットして食事や作業がしやすい
- 座幅38〜42cmの標準型車椅子に対応
- 使用後の取り外しや移動もスムーズで、片付けもラクに行える
素材
テーブル:ポリプロピレン
フレーム:アルミ
カラー
アイボリー
サイズ
幅63cm × 奥行55cm × 重量約2.7kg(対応座幅:38〜42cm)
まとめ
車椅子用テーブルは、食事や作業の不便を解消し、使用者の快適性と介助者の負担軽減の両方に役立ちます。
本記事では、「ベッド兼用型」「アームレスト装着型」の特徴と選び方を解説し、用途別におすすめ製品も紹介しました。
選び方ポイントは以下の通りです:
- 使用シーン(食事・作業・読書など)に合わせた選定が大切
- サイズと耐荷重を確認し、車椅子に合ったものを選ぶ
- 取り付け方式や互換性は購入前に必ずチェック
- ベッド併用型や簡単脱着タイプなど、介護環境に応じた選択が可能
快適な毎日を支える車椅子テーブルを、ぜひ見つけてください。
本記事がお役に立てますと幸いです。
福祉用具専門相談員9年目。日々の業務での福祉用具に関する知識や様々な情報を発信します。ツイッターも見て頂けると嬉しいです。
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