はじめに
2021年最新の自走(利用者が自身で操作)ができる屋外用電動車椅子のおすすめ製品をご紹介します。


免許返納したが、屋外を移動する手段が欲しい。
下肢に疾病があるので、長距離は歩行できないが、スーパーや散歩に出かけたい。
生活環境や身体状態の変化があった高齢者は、上記の悩みのように、移動の制限によって、生活範囲が狭くなり、生活に不便を感じたり、社会性が低くなってしまう原因にも繋がります。
福祉用具の中で、安全に屋外を移動する手段の一つとして、シニアカー(ハンドル型電動車椅子)のおすすめ製品を紹介させて頂きます。
本記事では、屋外で自走ができる電動車いすの中でも、シニアカー(ハンドル型)と呼ばれる電動車いすと、簡易電動型の電動車いすに分けてご紹介いたします。
シニアカー(セニアカー)とは
シニアカーは、走行性、安全性に優れた電動車いすです。電動モーター駆動なので、歩行せず屋外を移動することができます。

手元のハンドルで前進後進、速度調整ができるため、運転方法も簡単な仕組みになっています。また、道交法上、歩行車と同じ扱いのため、免許不要で行動を走行することができます。
シニアカーは、安全性に配慮された仕様になっていますが、操作する方の能力が不十分な場合や、使用する道路環境が悪い場合には、安全な移動が確保できないので、導入を控えることも必要です。導入される前には、ご家族などの周囲の方に相談するようにしましょう。
簡易電動型車椅子とは

簡易電動型車椅子は、自走型車椅子のフレームに電磁式モーターユニットを装着した、電動車椅子です。
手元のジョイスティックレバーを操作することで、車椅子を自在に動かすことができるので、握力や腕の力が弱い方の操作にも対応しています。
通常の車椅子と寸法がほぼ変わらないので、小回りが自宅など室内で利用されている方も多いタイプです。
タイヤが通常の車椅子と同じなので、オフロードや段差には対応が難しいです。屋外で使用する場合は、舗装された段差がない場所での使用が想定されます。
車輪には、ハンドリムが付いているため、電動と手動を切り替えて使用することも可能です。
屋外用電動車椅子(シニアカー)おすすめ8選
シニアカー(セニアカー)
スズキ ┃ セニアカー ET4D


自動車メーカーのスズキが販売する安心のための性能と仕様の電動車椅子(セニアカー)です。
わかりやすく感覚的に操作しやすいハンドル周りになっています。
ハンドル手元にあるレバーが自動車で言うアクセルになっており、握ると前進または後進します。
バッテリー警告や後進時などの走行案内を音声でお知らせするので、視覚以外でも安全を確認しながら運転することができます。
買い物に便利な大型バスケットや車椅子前後のLED点滅ランプ、左右バックミラーなど標準仕様で充実した装備が備わっています。
スズキのセニアカーラインナップには、ET4Dの下位機種である、ET4Eとコンパクトで小回りが利くタウンカートがありますが、セニアカー(ET4D)は、スズキの下位機種よりもバッテリー性能が高く、連続走行距離が長いので、ある程度の長距離走行を想定している場合は、ET4がおすすめです。
セニアカー ET4D、ET4E、タウンカートの性能・主要装備の違い
| ET4D | ET4E | タウンカート | |
| 寸法(全長×全幅×全高) | 1,195×650×1,145mm | 1,195×650×1,145mm | 1,140×670×1,090mm |
| 総重量(バッテリー含む) | 100kg | 83kg | 88kg |
| シート寸法 | 420×400×450mm | 420×400×450mm | 420×350×460mm |
| 最高速度(前進) | 1~6km | 1~6km | 1~6km |
| 最高速度(後進) | 1~2km | 1~2km | 1~2km |
| 実用登板坂角度 | 10° | 10° | 10° |
| 連続走行距離※ | 31km | 19km | 22km |
| 最小回転半径(最外側) | 1,450mm | 1,450mm | 1,100mm |
| 溝乗越幅 | 100mm | 100mm | 100mm |
| 使用者最大体重(積載物含む) | 100kg | 100kg | 75kg |
| バックミラー | 左右 | 左のみ(オプションで右側取付可) | 左右 |
| ヘッドライトLED点滅 | ○ | - | ○ |
| フロントレッグシールド | ○ | - | - |
| 買い物フック | ○ | - | - |
| 後方LED点滅ランプ | ○ | - | ○ |
| シート前後調整 | 30mm | 30mm | 60mm |
| 走行距離計 | ○ | - | - |
| 充電案内表示灯 | ○ | ○ | - |
| 音声案内機能 | ○ | ○ | - |
| 傾斜表示機能 | ○ | ○ | - |
| フロントバスケットカバー | ○(オプション) | - | - |
| リヤバック | - | - | ○ |
| ステッキホルダー | ○ | ○ | ○ |
| 松葉杖ホルダー | ○ | ○ | ○ |
セリオ ┃ 遊歩スマイル


スズキのセニアカーと同様、安心のための性能と仕様の電動車椅子(電動カート)です。
速度切替、前進後進切り替え、アクセル、ブレーキなどの操作は、ほぼスズキET4Dに近い仕様となっています。
遊歩スマイルは、盗難抑止機能や四点杖ホルダーや松葉杖ラック、酸素ボンベキャリーラックなどオプション品が充実しています。
四点杖や松葉杖を専用ラックなしで、電動カートに積載するのは、走行時に危険なので、必要な方には、とても助かるオプションです。

出典:セリオ
また、酸素ボンベを常用している方に、酸素ボンベキャリーラックのオプションが用意されている点も、利用者ニーズをよく汲み取っていると思います。

出典:セリオ
セリオ電動カート遊歩スキップと比較した、性能と仕様は以下のようになります。
遊歩スマイルと遊歩スキップの性能・仕様の違い
| 遊歩スマイル | 遊歩スキップ | |
| 連続走行距離※ | 30km | 23km |
| 速度(前進) | 0.5~6km | 0.5~6km |
| 速度(後進) | 0.5~2km | 0.5~2km |
| 実用登板角度 | 10° | 10° |
| 段差乗越え高さ | 80mm以下 | 80mm以下 |
| 溝乗越え幅 | 120mm以下 | 120mm以下 |
| 使用者最大体重 (積載物含む) | 100km | 75km |
| 寸法(全長×全幅×全高) | 1,195×650×1,080mm | 1,090×560×1,080mm |
| 最小回転半径 (機体最外側) | 1,460mm | 1,250mm |
| 傾斜センサー | ○ | - |
| 盗難抑止機能 | ○ | ○ |
| バックミラー | 左右 | 片側のみ (オプション取付可) |
| ステッキホルダー | ○ | ○ |
| 四点杖ホルダー | ○ | ○ |
| リヤバッグ | ○ | - |
| リヤバスケット (※要申請) | ○ | - |
| 松葉杖ラック (※要申請) | ○ | - |
| 酸素ボンベキャリーラック (※要申請) | ○ | - |
次世代型電動車椅子
WHILL ┃ WHILL Model C2

未来的でおしゃれなデザインが印象的な次世代型電動車椅子です。
回転半径が76cmと小回りが利き、シニアカーよりも小型で通常の車椅子に近い寸法の為、店内など屋内の移動も可能です。

電動車椅子としては、シニアカートと簡易電動型(この後紹介します)の中間的な存在です。
WHILL Model C2は車両本体を3分割することで、車両への積載が可能です。家族との外出先での使用を想定されている場合にも対応が可能です。電動車椅子なので、分割しても1パーツが20kg近い重量になりますが、車載できると使用範囲も広がるので便利です。
操作方法は、シニアカーとは異なり、手元のスティックで操作を行います。直感的に操作することができます。

小回りが利き、屋内移動も可能なため、近距離や街中での移動を想定されている方におすすめの製品です。
シニアカーのように、ヘッドライトやブレーキランプ、ウインカーなどが標準装備されていないので、薄暗い時間帯や比較的交通量の多い場所で使用することがある方には、シニアカーが装備的に安心かと思います。
WHILL Model Cの仕様
| WHILL Model C | |
| 走行距離 | 16km※ |
| 最高速度 | 6km |
| 段差乗越 | 5cm |
| 登板力 | 10° |
| 最小回転半径 | 760mm |
| サイズ (幅×長さ×高さ) | 550×985×740-940mm |
| 重さ | 約52kg |
| フロントタイヤ | オムニホイール |
| リヤタイヤ | ノンパンクタイヤ |
| アーム | 跳ね上げ式 |
| 最大荷重 | 115kg |
| バッテリー | リチウムイオン |
| 使用環境 | -15℃~40℃ |
簡易電動型車椅子
ヤマハ発動機 ┃ JWアクティブ PLUS+

JWアクティブPLUS+は、ヤマハの車いす用電動ユニットJWX-1 PLUS+を装着した電動車椅子です。
手元のジョイスティックにより、その場での旋回や細かな動きも可能な為、自宅の通路など比較的狭い通路での走行も可能です。ジョイスティックを倒すだけで車椅子を操作することができるので、ハンドルタイプでの操作に不安がある方にも対応が可能です。
速度の調整やジョイスティックの感度など細かな設定が可能なので、利用者の使用環境に合わせて使用することができます。

JWアクティブPLUS+は、転倒防止バーが正しいポジションになっていないと、走行ができなくなるなど、安全に配慮されていますが、簡易電動型車椅子は、車体が傾きやすく、傾斜や段差が少ない場所で使用するようにしましょう。
PタイプとSタイプの違い
JWアクティブPLUS+には、仕様の異なるPタイプとSタイプがあります。
下記の表で仕様の違いを比較したいと思います。


| JWアクティブPLUS+ | Pタイプ | Sタイプ |
| フレーム色 | ガンメタリック | スーパーホワイト |
| アームサポート調整方法 | ![]() | ![]() |
| アームサポート跳ね上げ | スカートガードからの跳ね上げ![]() | アームサポートのみの跳ね上げ![]() |
| フットレッグサポートの外し方 | ![]() | ![]() |
| カラーキャップ | ストームシルバー | ホワイトパール |
| 背張り調整 | - | ○ |
| 標準寸法※ | ![]() | ![]() |
| 折りたたみ寸法※ | ![]() | ![]() |
22インチ仕様で数値が異なる場合は()で示しています。
JWアクティブPLUS+の仕様
| JWアクティブPLUS+ | |
| フレーム種類 | PタイプまたはSタイプ |
| 車輪径 | 22インチまたは24インチ |
| 最高速度設定 | 4.5km/h仕様または6km/h仕様 |
| 自走用操作分位置 | 右または左 |
| 介助用操作部 | オプションでコントローラ及び介助ブレーキを取り付け可 |
| バッテリー種類 | ニッケル水素 オプションでリチウムイオンを選択可 |
| 寸法 | Sタイプ22インチ:1,000×640×880mm Sタイプ24インチ:1,025×640×880mm Pタイプ:1,035×630×870mm |
| 座幅/前座高/後座高 | Sタイプ:400/440/410mm Pタイプ:390/440/410mm |
| 重量(バッテリー含まず) | Sタイプ:27.4kg Pタイプ:28.7kg |
| 耐荷重 | 100kg |
| 走行速度 | 4.5km/h仕様:前進1.7~4.5km/h 後進:0.9~2.3km/h 6.0km/h仕様:前進1.7~5.7km/h 後進:0.9~2.8km/h |
| 実用登板角度 | 6° |
| バッテリー重量/容量 | ニッケル水素:2.9kg/24V×6.7Ah リチウムイオン:3.6kg/25V×11.2Ah |
| 充電時間 | 約4.5時間 |
| 電動走行距離(4.5km/h仕様) | ニッケル水素:15km/1充電 リチウムイオン:30km/1充電※ |
| 電動走行距離(6.0km/h仕様) | ニッケル水素:16km/1充電 リチウムイオン:32km/1充電※ |
ヤマハ発動機 ┃ タウニィジョイX PLUS+

タウニィジョイX PLUS+は、ヤマハの16インチ車いす用電動ユニットJWX-1 PLUS+を装着した電動車椅子です。
JWアクティブ PLUS+と比べて、軽量・コンパクトなので、介助者の負担軽減につながる仕様です。
タウニィジョイX PLUS+の仕様
| タウニィジョイX PLUS+ | |
| 自走用操作分位置 | 右または左 |
| 介助用操作部 | オプションでコントローラ及び介助ブレーキを取り付け可 |
| バッテリー種類 | ニッケル水素 オプションでリチウムイオンを選択可 |
| 寸法 | 1,015×595×880mm |
| 座幅/前座高/後座高 | 410/430/415mm |
| 重量(バッテリー含まず) | 26.5kg |
| 耐荷重 | 75kg |
| 走行速度 | 前進1.6~4.6km/h 後進:0.9~2.3km/h |
| 実用登板角度 | 6° |
| バッテリー重量/容量 | ニッケル水素:2.9kg/24V×6.7Ah リチウムイオン:3.6kg/25V×11.2Ah |
| 充電時間 | 約2.5~3時間 |
| 電動走行距離 | ニッケル水素:16km/1充電 リチウムイオン:27km/1充電※ |
簡易電動型車椅子は、転倒防止バーが付属していますが、後傾しやすいので、安全のため段差や舗装されていない道、急な坂道などの走行に支障がない場所で使用するようにしましょう。屋内と屋外兼用して使用したい方におすすめのタイプです。
電動車椅子売れ筋ランキング
まとめ
今回は、シニアカー(セニアカー)と簡易電動型車椅子に分けて、電動車椅子のおすすめ製品を紹介させて頂きました。
各メーカーで安全性に配慮された仕様ですが、身体状態と使用環境に合った製品を選定して、安全に使用して頂きたいと思います。移動負担の軽減や行動範囲が広がることで、充実した生活を送って頂けると幸いです。
介護用品情報サイト「介護マーケット」を運営している、もっちゃんです。
2015年に福祉用具専門相談員の資格を取得し、10年以上にわたり現場での選定・適合に携わっています。
このブログでは、カタログのスペック説明ではなく、「実際の現場で本当に役立った知識」に絞って情報を発信しています。
「どんなに高機能な道具でも、使う人の体や環境に合わなければ意味がない」
私がこのブログを運営する最大の理由は、
「どんなに高機能な福祉用具(介護用品)でも、使う人の身体や環境に合わなければ意味がない」
ということをお伝えしたいからです。
介護するご家族のために、良かれと思って購入した用具が、かえって生活を不便にしているケースによく出会います。
車椅子の「サイズ・機能」: 「カタログの全幅だけを見て購入し、移乗に必要な機能が備わっていなかった」
車椅子の「高さ」: 「座面が高すぎて小柄な方が足を踏ん張れず、姿勢が崩れてしまった」
手すり: 「工事不要の軽量手すりを安易に設置したが、体重をかけるとグラついてしまい、怖くて使えない」
こうしたミスマッチは、製品が悪いのではなく、「選び方のポイント」が少しずれていただけなのです。
そのため当ブログでは、メリットだけでなく「こういう人には合いません」「この環境では使いにくいです」といった注意点も、包み隠さずお伝えするようにしています。
このブログで扱うテーマ
介護に関わるご家族や支援職の方に向けて、生活動作を助ける用具の情報を発信しています。
介護ベッド(搬入経路の確認、身体状況に合わせたマットレスの選定など)
車椅子(自走・介助の判定、姿勢保持機能、フットサポート・アームサポートの調整など)
歩行関連(屋内・屋外の歩行器、転倒予防の靴選び、スロープの勾配確認など)
生活支援(手すりの設置位置、入浴・排泄用具の適合など)
「初めての介護で、何から準備すればいいか分からない」 「商品が多すぎて、どれが親に合うのか選べない」
そんな迷いの中にいる方が、自信を持って判断できる材料を提供します。
保有資格・スキル
確かな知識に基づいた情報発信を行うため、以下の資格を保有しています。
福祉用具専門相談員(2015年 指定講習修了)
福祉住環境コーディネーター2級
また、常に最新の用具情報や介護保険制度の変更をキャッチアップし、現場での実践を続けています。
免責(大切なお知らせ)
当サイトは、介護用品選びの参考情報を提供することを目的としており、医療的な判断や診断を行うものではありません。 利用者様の状態や生活環境によって適した用具は異なるため、必要に応じて医師、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、または専門の相談員へご相談ください。
運営者について
北海道生まれ、北海道育ちです。
福祉用具業界の方は、どこかの研修会や現場でお会いしたことがあるかもしれません。
SNS
最新記事の更新情報や、現場でのちょっとした気づきをつぶやいています。
お気軽にフォローしてください。
X(旧Twitter): https://x.com/fukushiyouguch











