はじめに
「ベッドや椅子から立ち上がる時に足が滑ってヒヤッとする」
「介助するたびに自分の腰への負担が辛い…」とお悩みではありませんか?
立ち上がれない原因は、筋力低下だけでなく「床の滑り」による摩擦不足が影響しています。
転倒による骨折リスクが高まるだけでなく、介助者の腰痛悪化にも直結します。
この記事では、在宅介護の環境整備を多数サポートしてきた福祉用具専門相談員が「介護に役立つ立ち上がりマット」についてご紹介します。
- 介護用立ち上がりマットが転倒を防ぎ、介助者の腰への負担を減らす理由
- つまずきの二次被害を防ぐ!安全な介護用立ち上がりマットの選び方
- 介護用立ち上がりマットおすすめ製品3選
- 手すり・介護ベッドとの組み合わせが効果的
立ち上がりマットを効果的に使うことで、ご本人が踏ん張れる「自分で立てる」環境が整い、本人の意欲と尊厳を守りながら、ご家族の介護負担も軽くなります。
介護用立ち上がりマットは、つまずきを回避するため、「厚さ数ミリの薄型で、端がめくれ上がらない仕様」を選ぶのがポイントです!
それでは、介護用立ち上がりマットについて、詳しく見ていきましょう。
なぜ立ち上がれない?原因は筋力低下と「床の滑り」
高齢者がベッドや椅子から立ち上がりにくくなる原因は、筋力の低下だけではありません。
実は、「床の滑り」といった住環境も大きく影響しています。
足元が滑ると、立ち上がろうとする力がうまく伝わりません。
その結果、しっかり踏ん張ることができず、立ち上がれなくなってしまうのです。
床の摩擦不足を補うと転倒リスクを防ぐことにつながる
フローリングなどの滑りやすい床は、転倒の危険性を高めます。
足元の摩擦が足りず、バランスを崩しやすくなるからです。
そこで、滑り止め効果のあるマットで摩擦を補いましょう。
足元がピタッと安定すれば、転倒や骨折といった大きなケガを未然に防ぐ効果が期待できます。
本人が踏ん張れると介助者の腰への負担が減る
立ち上がりをサポートするご家族にとっても、床の環境は重要です。
ご本人が自分の足でしっかり踏ん張れると、少しの介助で立ち上がれることもあります。
介助者は、力任せに無理やり引き上げる必要がなくなりますので、毎日の介護で蓄積するご家族の腰への負担を大きく減らせます。
「自分で立てる」環境づくりが本人の意欲と尊厳を守る
自分の力で立ち上がれることは、ご本人の自信につながります。
逆に失敗が続くと、「もう動きたくない」とふさぎ込んでしまうこともあります。
安全に立ち上がれる環境を整えることは、筋力の低下を防ぐ第一歩となります。
何より、ご本人の「自分で動きたい」という意欲と尊厳を守ることにつながります。
つまずきの二次被害を防ぐ!安全な立ち上がりマットの選び方
立ち上がりを助けるためのマットが、新たな転倒の原因になっては元も子もありません。
介護用立ち上がりマットの選び方を間違えるとつまずく危険性が高まってしまうこともあります。
安全に使い続けるために、いくつか大切なポイントがあります。
ここでは、思わぬケガなどの二次被害を防ぐための選び方をご紹介します。
薄型を選び段差によるつまずきを回避する
高齢になると足が上がりにくくなり、すり足で歩くことが増えます。
そのため、ほんのわずかな段差でもつまずきやすくなります。
良かれと思ってクッション性の高いふかふかなマットを選びがちですが、足元が不安定になるため避けましょう。
つまずきを防ぐには、厚さ数ミリの薄型タイプを選ぶのが安全です。
端がめくれ上がらない仕様が転倒予防の絶対条件
マットの端がめくれ上がっていると、そこに足先が引っかかってしまいます。
これは非常に危険で、大きな転倒事故に直結しかねません。
床にピタッと吸着し、端がめくれない仕様のものを選びましょう。
掃除機をかけたり、歩行器が通ったりしてもズレない製品が安心です。
ベッドサイドや椅子周りの生活動線に最適なサイズを選ぶ
マットは、大きすぎても小さすぎても使い勝手が悪くなります。
ベッドから降りて足を下ろす場所や、椅子の前など、必要な範囲だけをカバーするのがおすすめです。
まずは、ご本人が普段どのように動いているか、生活動線を観察してみてください。
歩くときに邪魔にならず、踏ん張りたい場所だけに敷き、安全な生活環境を整えましょう。
おすすめの介護用立ち上がりマット3選
安寿 立ち上がり補助マット 足元すべり止めマット ┃アロン化成
特徴
・表面と裏面に特殊発泡素材を使用し、足元のすべりをしっかり防止
・病院や施設の床、ご家庭のフローリングや畳、じゅうたんなどへ置くだけの簡単設置
・ベッドやトイレ、車いす、椅子などさまざまな場所からの立ち上がりに対応
・用途に合わせて選べる据置用タイプと持ち運びに便利な携帯用サイズの2種類展開
重量:約0.6kg(携帯用) / 約1.1kg(据置用)
サイズ
高さ(厚さ):0.4cm
幅:38cm×奥行28cm(携帯用) / 幅55cm×奥行38cm(据置用)
素材:オレフィン系エラストマー(表裏面)、合成ゴム(芯材)
・膝関節症や片側半身マヒの方など、足を踏ん張ったときに足がすべって転倒する不安がある方
・介助される側の足元をしっかり支え、無理な力が入らずラクに安心して立ち座りをサポートしたい方。
立ち上がりマット┃サンコー
特徴
・ベッドやソファから立ち上がる時の足元のすべり防止
・ソフトな足ざわりと適度なクッション性
・つまずきにくいわずかな薄さ
・裏表なくどちらのカラーでも使用できる仕様
・軽くて持ち運びしやすいマット
重量:0.187kg
サイズ
高さ(厚み):0.3cm
幅:45cm(長さ60cm)
素材:SBR(表面)、ポリエステル・綿・レーヨン(芯材)
・ベッドやソファから立ち上がる時に足元がすべってしまい、スムーズに立ち上がれないとお悩みの方。
・足に力が入りにくく、日常的に立ち上がりのサポートや補助が必要な方
消臭すべり止めマット ダイヤストップマット┃シンエイテクノ
特徴
・消臭や抗菌・遠赤外線効果があるゼオシーターと、ゴム製すべり止めの二重構造
・ゼオライトによる優れた消臭効果と、セシオンによる抗菌
・遠赤外線効果 ・発泡構造による蓄熱・増幅作用で、クッション性があり暖かい仕様
・汚れても簡単に洗うことができ、素早い乾燥が可能
重量:0.46kg(Sサイズ) / 0.86kg(Mサイズ) / 1.2kg(Lサイズ)
サイズ
高さ(厚さ):0.5cm 幅:44cm×奥行28cm(Sサイズ) / 59cm×奥行38cm(Mサイズ) / 90cm×奥行38cm(Lサイズ)
素材:発泡EVA、ゴム、ゼオライト、セシオン
・ベッドサイドや階段の降り口、玄関台などからの立ち上がり時に、足元のすべりを防ぎたい方
・すべり止めと同時に室内の気になるニオイを消臭し、安全で清潔な環境を保ちたい方
立ち上がりマットは手すり・介護ベッドとの組み合わせが効果的
立ち上がりマットは、単体でも転倒防止に役立ちます。
しかし、他の福祉用具と組み合わせるとさらに効果的です。
特に、手すりや介護ベッドとの併用をおすすめします。
手すりを使えば、足元の安定に加えて、上半身の動きもサポートできます。
さらに、介護ベッドをご本人が立ち座りしやすい高さに調整すると、より安全です。
複数の用具を上手に組み合わせて、安心できる住環境を整えましょう。
立ち上がり手すりとの併用で確実な自立支援環境を作る
立ち上がる際、足元だけでなく、手でしっかり掴める場所も必要です。
そこで、滑り止めマットと立ち上がり手すりをセットで使いましょう。
マットで足の踏ん張りをきかせ、手すりを使って上半身を引き上げます。
足と手の両方から力を分散させることで、立ち上がりが楽になります。
まとめ
ご家族の立ち上がりに不安を感じたら、まずは足元の環境を見直しましょう。
- 立ち上がれない原因は「床の滑り」にもあり: 立ち上がりマットで足元の摩擦を補うことで、転倒や骨折のリスクを大幅に減らせます。
- 安全なマット選び: つまずきを防ぐため、「厚さ数ミリの薄型」かつ「端がめくれない」仕様を選ぶのが絶対条件です。
- 手すり・介護ベッドとの併用が効果的: 複数の福祉用具を組み合わせることで、ご本人の「自分で立てる」環境をより安全に整えられます。
床の滑りを防ぎ、ご本人が自分の足でしっかり踏ん張れるようになれば、介助するご家族の腰への負担も軽くなります。
毎日の介護をもっと安全で、お互いに無理のないものにするために、まずはご自身の生活動線に合う介護用立ち上がりマットをぜひ検討してみてください。
本記事がお役に立てていただけますと幸いです。
2015年に福祉用具専門相談員の資格を取得。北海道を拠点に10年以上、現場での選定・適合に携わっています。
介護用品は「高機能=正解」ではありません。「使う人の身体や環境に合うか」を最重視しています。
当ブログでは、メリットだけでなく「こういう人には合わない」という注意点も発信しています。後悔しない用具選びをお手伝いします。
保有資格: 福祉用具専門相談員 / 福祉住環境コーディネーター2級
詳しいプロフィールはこちら
X(旧Twitter): https://x.com/fukushiyouguch





コメント