はじめに
『ベッドから転落して怪我をしないか心配…』
『ずっとふとんで寝ていたから、ベッドには抵抗がある』とお悩みではありませんか?
転落リスクを恐れて無理な環境のまま過ごすと、万が一の怪我につながるだけでなく、日々の介助負担も大きくなってしまいます。
この記事では、10年以上現場で選定に携わってきた福祉用具専門相談員が介護用超低床ベッドについてご紹介します。
【この記事でわかること】
- 介護ベッドから「落ちても怪我をしない環境」を作り
- 介護用超低床電動ベッド導入時の注意点
- おすすめの介護用超低床ベッド3選
転落が心配な方やベッド導入に抵抗がある方には、床面高11cmで限りなく床に近い「フランスベッド フロアーベッド」などの超低床モデルの利用がおすすめです。
介護ベッドから「落ちても怪我をしない環境」を作る
介護ベッドを導入する際、「ベッドからの転落」を心配し、「高い柵(ベッドレール)で囲って落ちないようにしよう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、柵を高くしても転落事故を完全に防ぐことは困難です。
認知症がある方の場合、柵を乗り越えようとしてより高い位置から転落したり、柵の隙間に身体を挟んだりする危険性があります。
そこで、「落ちないように柵で囲う」のではなく、「万が一落ちても怪我のリスクを減らす」という方法も対策の1つとして考えてみましょう。
その有効な解決策が、床からの高さが低い「超低床(ていしょう)ベッド」です。
床に近い位置で休むことで、転落時の身体へのダメージを最小限に抑えることが期待できます。
超低床ベッドは、ご本人を骨折などの怪我から守るだけでなく、ご家族が夜間の転落への不安を減らし、安心して休むための有効な安全対策となります。
超低床ベッドは「床で寝る習慣」から安心して移行できる
視線の高さが布団と同じなので心理的抵抗を減らすとこにつながる
長年の生活で、床に布団を敷いて寝てきた方にとって、急に高さのある介護ベッドを導入することは、「病人扱いされているようで嫌だ」という心理的な抵抗感を生むことがあります。
超低床ベッドであれば床に近い高さに設定できるため、寝ている時の視線が布団の時とほとんど変わりません。
部屋の圧迫感が少なく、和室に置いても空間に馴染みやすいため、ご本人の抵抗感を和らげ、スムーズにベッド生活へ移行しやすくなります。
和室の生活様式を崩さずに導入できる
長年布団で生活してきた方にとって、高いベッドから足を下ろして立ち上がる動作は不慣れで、バランスを崩す原因になることがあります。
床から15cm程度まで下がる超低床ベッドであれば、畳に手をついて身体を起こすような、これまでの布団に近い動作で起き上がることができます。
また、視線が低く保たれるため、座卓や座布団といった和室の家具とのバランスも取りやすく、和室を中心としたこれまでの生活様式を大きく変えずにベッド生活を始めることが可能です。
転落対策は衝撃吸収マットの導入と組み合わせると効果的
超低床ベッドは転落時のダメージを大幅に減らすことができますが、フローリングなどの硬い床へ直接落ちた場合、打撲などの痛みを完全に防げるわけではありません。
そこで、より安全性を高めるために推奨されるのが、ベッドの横に敷く「衝撃吸収マット(衝撃緩衝マット)」との併用です。
万が一ベッドから転がり落ちてしまっても、特殊なクッション素材が床へ打ち付けられる衝撃をしっかりと吸収するため、怪我のリスクを最小限に抑えることが期待できます。
「超低床ベッドで高さを下げ、マットで衝撃を吸収する」という2段構えの対策を行うことで、ご本人の怪我のリスクを減らし、ご家族も夜間に安心できる環境整備の一助となります。
介護用超低床電動ベッド導入時の注意点
要注意!X型昇降ベッドは「サイドテーブルの脚」が入らない
介護ベッドの昇降機構(高さ調整の仕組み)が「X型」のタイプは、昇降時にフレームが交差する構造上、ベッド下の空間が金属フレームで塞がれています。
そのため、ベッドサイドから脚を差し込んで使用する「サイドテーブル」がフレームにぶつかってしまい、奥まで入れることができません。食事や読書で手元までテーブルを引き寄せたい場合、この構造が大きな障害となるため、事前の確認が不可欠です。
サイドテーブルではなく、ベッドをまたぐ形で使用するオーバーテーブルで代用する方法もあります。
超低床のままテーブルが使える「フランスベッド フロアーベッド」
一般的な超低床ベッドは、その低さを実現するために複雑な昇降フレームが床面を占拠しがちですが、「フランスベッド フロアーベッド」は独自の構造によりベッド下の空間を広く確保しています。
超低床(最低床高11cm)という安全性を維持しながら、ベッド下にフレームの障害物がない構造です。
これにより、サイドテーブルの脚や床走行式リフトの脚をスムーズに差し込むことが可能となっています。
これまでは「低いベッドを選ぶなら、テーブルやリフトは諦める(またはベッドを高くする)」という二者択一を迫られていましたが、このモデルなら安全面と介護の利便性を妥協せずに両立できます。
介護用超低床電動ベッドおすすめ3選
フランスベッド ┃ フロアーベッド
各メーカーから販売されている介護用超低床電動ベッドの中で、最も床に近いポジションを取ることができます。
ベッド面から床まで超・超底床の11cmを実現したモデルです。
高さ調整時、超低床ベッド製品の中で唯一、ベッドの四脚それぞれが昇降する機構になっており、超低床仕様のままサイドテーブルや床走行式リフトを使用することができます。
また、ベッドを移動させたい場合には、オプションでキャスターを取り付けることも可能です。キャスターは、収納式になっており、取り付けてもベッド高さが変わらない点も他製品よりも強みです。
フランベッドのフロアーベッドは、以下のような方に特におすすめです。
●超低床仕様で、サイドテーブルや床走行式リフトを使用したい方
●ベッドへの移乗時に限りなく床に近いポジションで使用したい方
楽匠フィット Xタイプ┃パラマウントベッド
特徴
・背あげ時の身体のずれを軽減するフィットラインボトム搭載
・より安定した姿勢で起きあがれる「らくらくモーション」採用(3モーターシリーズ)
・スマートフォンで操作可能な「ベッド専用アプリ」対応
・フットボードをなくし視界が広がるパノラマタイプも選択可能
・最低床高15cmの超低床ベッドとしても利用可能
サイズ
最低床高15cmまたは21cm
幅:83cmまたは91cm
・背あげ時の身体のずれが気になる方
・ベッド上での起きあがり動作をより安定させたい方
・視界を広く保ち、ご家族との会話を楽しみたい方(パノラマタイプ選択時)
・ベッドからの転落に不安がある方(最低床高15cm設定時)
プラッツ ┃ ラフィオ
プラッツのラフィオは、ベッド面の最低床面高が15cmまで下げることができる介護用電動ベッドです。
過去記事にも詳細を記載しているので、よろしければ、ご覧ください。

ラフィオは、ハイバックサポート機能が特徴的な製品で、背上げ時に頸部の角度調整も可能になっており、頭部を支えられているような間隔で背上げすることが可能です。また、腹圧の軽減や嚥下しやすい姿勢を保持することができます。


サイドテーブルや床走行式リフトを使用したい場合は、ハイトスペーサーで、ベッドの高さを上げ、床とフレームの間に隙間を作る必要がありますので、選定時に注意しましょう。
テーブルは、オーバーテーブルを使用する方法もあります。

ベッドサイズが豊富なので、小柄や長身の方にも対応しています。
プラッツ ラフィオは、以下のような方におすすめです。
●超低床ベッドとリクライニング機能を両方重視したい方
●床ずれや嚥下障害のリスクがある方
●体格に合わせてベッドサイズを選びたい
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まとめ
記事のポイントを振り返ります。
介護ベッド選びで大切なのは「落ちないように柵で囲う」ことではなく、「万が一落ちても怪我をしない環境を作る」ことです。
- 超低床ベッドのメリット:床面高11〜15cmまで下がるモデルなら、転落時の衝撃を最小限に抑え、布団に近い感覚でベッド生活に移行しやすい。
- 「2段構え」の対策がおすすめ:超低床ベッドに「衝撃吸収マット」を組み合わせることで、怪我のリスクを減らすことが期待できます。
迷ったらこの一台
機能性と安全性を両立したい方には、業界トップクラスの低さを誇り、ベッド下のスペースも活用できる「フランスベッド フロアーベッド」がおすすめです。
介護用超低床ベッドでご本人もご家族も安心できる環境を整えてみませんか?
本記事がお役に立てていただけますと幸いです。
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2015年に福祉用具専門相談員の資格を取得。北海道を拠点に10年以上、現場での選定・適合に携わっています。
介護用品は「高機能=正解」ではありません。「使う人の身体や環境に合うか」を最重視しています。
当ブログでは、メリットだけでなく「こういう人には合わない」という注意点も発信しています。後悔しない用具選びをお手伝いします。
保有資格: 福祉用具専門相談員 / 福祉住環境コーディネーター2級
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